オフィス移転の不用品処分ガイド
什器・OA機器・書類をルール通りに処分する方法
オフィス移転の不用品処分ガイド|什器・OA機器の処分方法と業者選び
【ケース紹介】移転2週間前に発覚した「産廃」の落とし穴
東京都内のIT企業A社(従業員45名)は、本社の移転を2週間後にひかえて、総務担当者が頭をかかえていました。引越し業者から「オフィス家具やコピー機は、うちでは運べません」と言われてしまったのです。
「家庭の引っ越しと同じ感覚で進めていた」と担当者は振り返ります。あわてて区役所に問い合わせたところ、会社の事業から出る不用品は「産業廃棄物」あつかいになり、家庭ごみのように粗大ごみとして出すことはできない、ということが分かりました。最終的には、産業廃棄物収集運搬業 (会社から出るごみを運ぶための、行政から認められた許可) を持つ業者を探し、見積もりを取り直すことになったのです。
オフィス移転の不用品処分は、家庭の片付けとは法律のルールが大きく違います。この記事では、什器・OA機器・書類などをルール通りに処分する手順を、AI一括見積もりの監修者・豊田貴士が解説します。
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オフィス移転で出る不用品、処分のしかたは4つ
①産業廃棄物処理業者
オフィス什器・OA機器など、会社から出るごみを処分してくれます。マニフェスト (後ほど説明します) を発行できるので、法律の面でも安心です。
②不用品回収業者
産廃許可を持っている業者なら、什器も家電もまとめて引き取れます。買取と回収を同時にしてくれるところも多いです。
③買取業者
状態のいい什器・OA機器なら売れます。処分の費用をおさえられますが、買い取れないものは別で処分が必要です。
④引越し業者
移転と一緒に一部を処分してくれる場合もありますが、産廃の許可を持っていない業者は対応できません。
一般廃棄物と産業廃棄物のちがい|オフィス不用品はどっち?
| 区分 | あてはまる主な品目 | 処分先 |
|---|---|---|
| 産業廃棄物 | スチール什器、OA機器、配線、廃プラ製品 | 産廃収集運搬業の許可業者 |
| 事業系一般廃棄物 | 書類、紙くず、木製家具の一部 | 一般廃棄物収集運搬業の許可業者 |
| 専門ルート | パソコン、蛍光灯、消火器 | リサイクル法・専門業者経由 |
事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない(廃棄物処理法第3条)。家庭ごみとして出してしまうと「不法投棄」にあたるおそれがあります。
監修:豊田貴士(株式会社MFS 現場統括責任者)産業廃棄物収集運搬業の許可業者を選んだほうがいい理由
産廃許可業者を見分けるためのチェックリスト
- ☑ 産業廃棄物収集運搬業の許可証を見せてくれる
- ☑ 許可品目の中に、処分したいものが入っている
- ☑ マニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行してくれる
- ☑ 営業エリア(都道府県)の許可を持っている
- ☑ 損害賠償保険に入っている
- ☑ 見積書に明細がちゃんと書かれている
AI一括見積もりでは、神奈川県・東京都の産業廃棄物収集運搬業の許可を持った事業者が、きちんとした処理をサポートしています。
オフィス閉店・移転のスケジュール
3〜6ヶ月前 新オフィスの契約・今のオフィスの解約通知。持っていくもの・処分するものを仕分けしはじめる。
2ヶ月前 不用品の数量リストを作る。複数の業者へ見積もりを依頼。買い取ってもらえそうなものは査定へ。
1ヶ月前 業者を決めて契約。原状回復工事との日程調整。書類の電子化・廃棄手配。
移転当日〜直後 不用品の搬出・マニフェスト受領。原状回復の確認。
移転後3ヶ月 マニフェストE票が戻ってきたか確認・5年間の保管をスタート。
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OA機器・什器のあつかい方|品目別の処分ポイント
パソコン・サーバー
資源有効利用促進法にもとづいて、メーカー回収かPC3R協会認定業者へ。データ消去証明書も出してもらいましょう。
複合機・コピー機
リース契約のものはリース会社へ返却。買い取ってもらえる場合は、産廃業者か専門の買取業者へ。
オフィス什器
デスク・キャビネット・チェアは、状態次第で買い取ってもらえます。スチール製は産業廃棄物あつかいです。
書類・機密文書
溶かして処理する「溶解処理」か、機密文書専門の業者へ。処理証明書を出してもらうのが必須です。
蛍光灯・電池
水銀が入っているので、特別管理産業廃棄物あつかい。普通のごみとは分けて処分します。
マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行と保管
| マニフェスト | 特徴 | おすすめのケース |
|---|---|---|
| 紙マニフェスト | 7枚複写・手書きでOK | 単発・小規模で出すとき |
| 電子マニフェスト | JWNET経由・自動で記録 | 定期的に出す・複数の拠点がある |
発行しなかったり、ウソを書いたりすると、廃棄物処理法によって1年以下の懲役か、100万円以下の罰金の対象になります。
業者選びと費用の相場
| オフィス規模 | 不用品量の目安 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 10坪以下(10名規模) | 軽トラ1〜2台 | 5〜15万円 |
| 30坪程度(30名規模) | 2tトラック1台 | 15〜35万円 |
| 50坪程度(50名規模) | 2tトラック2台 | 30〜60万円 |
| 100坪以上 | 4tトラック以上 | 60万円〜 |
※買い取れるものがあれば、その分を差し引いて減額。原状回復工事は別料金。
業種ごとの処分ポイント
- 飲食店の閉店:厨房機器は買取査定がおすすめ。グリストラップ清掃は専門業者へ。
- 美容室・サロンの閉店:シャンプー台の解体・撤去には技術がいります。薬剤は特管産廃にあたることも。
- クリニック・歯科:感染性廃棄物は特別管理産業廃棄物として、専門の処理が必要。
- 小売店舗の閉店:陳列棚・レジまわりの機器の解体撤去が中心。看板撤去は別途。
AI一括見積もりでは業種を問わず、それぞれの現場にあった処分プランをご提案しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 引越し業者にオフィスの不用品もまとめて頼めますか?
産廃許可を持っていない引越し業者は、会社から出るごみを運ぶことができません。引越し業者経由で別に産廃業者を手配するケースが多く、結果的に費用が二重にかかることがあります。最初から産廃許可業者に直接お願いするのが効率的です。
Q2. 什器を新オフィスに持っていくか処分するか、どう判断したらいいですか?
新オフィスのレイアウト・搬入経路・什器の耐用年数を踏まえて判断します。一般的に、買ってから7年以上たった什器は、運搬費+設置費が新しく買うのと変わらないケースが多いので、買い替えたほうが合理的なことが多いです。
Q3. リース品の複合機はどう処分すればいいですか?
リース契約中の機器は、所有権がリース会社にあるので、勝手に処分はできません。リース会社に連絡して、引き取りを手配してもらいましょう。途中で解約する場合は違約金が出ることがあるので、契約書を確認しておくと安心です。
Q4. マニフェストは自分で発行しないといけないんですか?
排出事業者(依頼主)が発行する義務があります。実際には産廃業者が用紙を用意して記入をサポートしてくれますが、署名・押印は依頼主が行います。電子マニフェストの場合は、事前にJWNETへの加入が必要です。
Q5. 機密書類は、どう処分するのが安全ですか?
機密文書専門の溶解処理サービスを使うのが安心です。段ボールに入れたまま溶かしてくれて、処理完了の証明書も発行してくれます。シュレッダーは少量向けで、大量の処分には向きません。
Q6. 見積もりは無料ですか?現地調査も必要ですか?
AI一括見積もりなら、見積もり・現地調査ともに無料です。オフィスの規模が大きい場合や、什器が多い場合は、現地を見させてもらうことで正確な金額をお出しできます。
Q7. 移転日と回収日は同じ日にできますか?
できますが、原状回復工事との兼ね合いで、前日までに搬出を終わらせるケースが一般的です。ビル管理会社のルール(搬出できる時間帯や養生の条件)も、前もって確認しておきましょう。
まとめ|オフィス移転の不用品処分は、計画と業者選びがカギ
オフィス移転の不用品処分は、家庭の片付けと違って、「排出事業者責任」「マニフェスト発行」「産廃許可業者の選び方」など、法律を守るための視点が欠かせません。
おさえておきたいポイント
- ☑ 会社から出る不用品の多くは、産業廃棄物にあたる
- ☑ 産廃収集運搬業の許可番号と、扱える品目を確認する
- ☑ マニフェストの発行と、5年間の保管が義務
- ☑ パソコン・複合機・機密書類は、専門のルートで処分する
- ☑ 移転の3〜6ヶ月前から準備を始める
- ☑ 相見積もりで、費用と対応範囲を比べる
AI一括見積もりでは、産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ事業者と連携して、オフィス・店舗の閉店・移転にともなう不用品の処分をワンストップで対応しています。
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監修者プロフィール
豊田 貴士(とよた たかし) 株式会社MFS 現場統括責任者/古物商有資格者
- 古物商許可:神奈川県公安委員会 第451430009493号
- 産業廃棄物収集運搬業許可:神奈川県・東京都
- 年間4,000件の回収現場を統括
- 損害補償保険:三井住友海上の最大3,000万円
家庭から法人まで、幅広い不用品回収・遺品整理・オフィス移転の現場を統括。法律を守ることと、現場の目線をきちんと両立させた実務指南に定評があります。