小規模事業所の不用品回収 詳細ガイド|料金相場と産廃許可業者の選び方
5 坪ほどの事務所を閉じることになった、店舗を移転するのに什器を全部処分したい、社員 10 人ほどの小さな会社でデスクと OA 機器をまとめて入れ替えたい。こうした小規模事業所の不用品処分は、ご家庭のゴミとは扱いが違うため「どこに頼めばいいのか」「自治体の粗大ごみで出せるのか」と迷う方が多くいます。
事業活動で出たごみは原則として「事業系廃棄物」となり、家庭用ルートでは処分できません。それを知らずに依頼すると、後から廃棄物処理法違反に問われるリスクすらあります。
この記事では、小規模事業所のオーナー様・店舗経営者様が安心して不用品を処分できるよう、ミチビキくんと現場統括の豊田さんが解説します。
この記事で分かること
- ☑ 小規模事業所で使える不用品処分の方法 4 つと、それぞれの向き不向き
- ☑ 「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の違いと、なぜそれが業者選びを左右するのか
- ☑ 規模・状況別の費用相場マトリクス(MFS 年間 4,000 件の集計データより)
- ☑ 産廃許可業者・古物商許可業者を見抜く 5 つのチェックポイント
- ☑ 閉店・移転スケジュールから逆算する依頼タイミングとマニフェストの実務
なぜ小規模事業所の不用品は「家庭ごみ」と扱いが違うのか
事業活動で出た不用品は、たとえ一人事務所の机一脚であっても「事業系廃棄物」となり、自治体の家庭用粗大ごみには出せません。これは廃棄物処理法で定められたルールで、知らずに家庭ごみとして出すと不法投棄に問われる可能性があります。
小規模事業所が選べる処分方法 4 つ — 物量と中身で使い分ける
小規模事業所の不用品処分は、出るものの「中身(品目)」と「物量」で適した方法が変わります。机・椅子だけなら自治体ルートでも対応可能ですが、OA 機器や蛍光灯、業務用冷蔵庫が混ざると話が変わります。
①自治体の事業系ごみ収集
燃えるごみ・燃えないごみ・粗大ごみを事業系として申込む方法。料金は袋単位や品目単位で比較的安いですが、OA 機器・家電 4 品目・蛍光灯・バッテリーなどは対象外になる自治体が多い。少量・単純な品目向け。
②産廃許可業者に直接依頼
プラスチック・金属くず・廃蛍光灯などの「産業廃棄物」を扱える業者に依頼する方法。マニフェスト(管理票)が発行されるので法令遵守の証跡になります。中〜大規模の閉店・移転に向く。
③リユース業者・買取専門業者に売却
状態の良いオフィス家具・OA 機器・厨房機器を買い取ってもらう方法。処分費がゼロどころか、買取金額で他の処分費を相殺できることも。古物商許可(警察庁の制度説明)を持つ業者に限定。
④不用品回収業者(両許可保有)にまとめて依頼
家具・OA 機器・産廃・買取をワンストップで任せる方法。「一般廃棄物収集運搬」「産業廃棄物収集運搬」「古物商」の 3 つの許可を持つ業者なら、仕分けの手間がほぼゼロ。小規模事業所の閉店・移転で最も選ばれる方法です。
小規模事業所の不用品回収費用は? — 規模別マトリクスで把握する
小規模事業所の不用品回収費用は、状況によりワンルーム事務所 3 万円〜30 坪店舗の全撤去 60 万円まで大きく幅があります。
この幅は、坪数だけでなく「OA 機器の有無」「厨房機器・業務用冷蔵庫の有無」「分別・梱包が済んでいるか」「搬出経路(エレベーター・階段)」で変わります。ご自身の状況がどれに当てはまるか、まずは表で確認してみましょう。
| 状況 | 〜10 坪(ワンルーム事務所) | 10-20 坪(2-3 名規模) | 20-30 坪(小規模店舗) | 30 坪超(中規模店舗) |
|---|---|---|---|---|
| 通常処分(机・椅子・棚・分別済み) | 3-6 万円 | 6-12 万円 | 12-22 万円 | 22-35 万円 |
| OA 機器・複合機・サーバー含む | 5-9 万円 | 9-18 万円 | 18-30 万円 | 30-45 万円 |
| 飲食店閉店(厨房機器・冷蔵庫・グリストラップ) | 8-15 万円 | 15-25 万円 | 25-40 万円 | 40-60 万円 |
| 仕分け・梱包未済み(現状渡し) | +1-2 万円 | +2-4 万円 | +4-6 万円 | +6-10 万円 |
出典: ミチビキ系列 MFS が 2024 年に対応した法人案件約 700 件の集計より。
現場メモ (豊田・2024 年 11 月) 東京都内の 8 坪美容室の閉店案件で、最初に他社で出た見積もりが 42 万円。当社で確認したところ、シャンプー台と鏡台に十分な買取価値があり、買取査定で 12 万円分を相殺。最終的に実質負担は 18 万円まで下がりました。買取力のある業者を選ぶかどうかで、同じ物量でも 2 倍以上の差が出るのが法人案件の特徴です。
費用の決まり方をさらに細かく知りたい方は 1 点処分から全撤去までの料金マトリクス も参考にしてください。
事業系一般廃棄物 vs 産業廃棄物 — 自分の出すごみはどっち?
小規模事業所から出る不用品は、法律上「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の 2 種類に分かれます。この区分を誤ると、合法的に処分できない可能性があるため、業者選びの前に確認しておきたい論点です。
| 品目 | 区分 | 必要な業者許可 |
|---|---|---|
| 木製の机・椅子・本棚 | 事業系一般廃棄物 | 一般廃棄物収集運搬業 |
| 紙くず(オフィス印刷物・段ボール) | 事業系一般廃棄物 ※業種により産廃 | 同上 or 産廃 |
| スチール机・スチールラック | 産業廃棄物(金属くず) | 産業廃棄物収集運搬業 |
| OA 機器・複合機・PC | 産業廃棄物(金属・廃プラ複合) | 産業廃棄物収集運搬業 |
| 蛍光灯・水銀含有ランプ | 産業廃棄物(特管対象も) | 産業廃棄物収集運搬業 |
| 業務用冷蔵庫・業務用エアコン | 産業廃棄物(フロン回収必須) | 産廃 + フロン回収業者登録 |
| 厨房グリストラップ汚泥 | 産業廃棄物(汚泥) | 産業廃棄物収集運搬業 |
産廃許可業者の見抜き方 — チェックすべき 5 ポイント
産廃許可業者かどうかは、業者の Web サイトと書面で簡単に確認できます。逆に確認できない業者には依頼しない、というシンプルなルールを守るだけで、不法投棄リスクの大部分は回避できます(MFS が過去 3 年で受けた相談データより)。
①許可番号の明示
産業廃棄物収集運搬業の許可番号は「○○県第00000123456号」のような 11 桁。Web サイトや見積書に都道府県名+番号が記載されているか確認。神奈川県と東京都で別々に許可が必要なので、両都県に対応する業者は両方の番号を持っています。
②古物商許可番号(買取を希望するなら)
「○○県公安委員会 第00000000000号」の 12 桁。これがないと中古品の買取ができません。買取で費用を相殺したい場合は必須。
③契約書・マニフェスト(管理票)の発行
産業廃棄物を委託する場合、排出事業者にはマニフェスト発行義務があります。きちんとした業者は「弊社で代行発行します」と言ってくれます。「マニフェストって何ですか?」と聞き返してくる業者は注意が必要。
④損害補償保険の加入
搬出中の壁・床のキズ、エレベーターの破損などをカバーする保険。最大 1,000 万円以上が一つの目安。MFS は三井住友海上で最大 3,000 万円の補償を付帯しています。
⑤現地見積もり対応
電話だけで確定金額を出す業者は注意が必要。当日に「想定より物量が多かった」と追加請求するトラブルが業界全体で多発しています。無料で現地確認に来てくれる業者を選ぶのが安全です。
業者選びの観点をさらに深く知りたい方は 失敗しない業者選び 5 ポイント でも詳しく解説しています。
産廃許可・古物商許可を確認できる業者をお探しの方へ
ミチビキ系列 MFS は、神奈川県・東京都の産業廃棄物収集運搬業許可、神奈川県公安委員会の古物商許可(第451430009493号)、三井住友海上の最大 3,000 万円補償を備えています。
閉店・移転までのタイムライン — 1 ヶ月前から逆算する
小規模事業所の不用品回収は、閉店日の 1 ヶ月前から準備を始めるのが理想です。直前になると業者の予約が取れず、希望日に搬出できないリスクがあります。
STEP1 / 閉店 1 ヶ月前:現状の棚卸しと写真撮影 処分するものをざっくりリスト化。机○台・椅子○脚・PC○台・複合機○台、というレベルで OK。スマホで全体写真を 5-10 枚撮っておくと、LINE 見積もりが一気に進みます。
STEP2 / 閉店 3 週間前:2-3 社に相見積もり 許可番号・買取可否・マニフェスト対応を確認しつつ、現地見積もりを 2-3 社から取る。料金だけでなく「同じ品目でいくら買取してくれるか」も比較材料に。
STEP3 / 閉店 2 週間前:業者決定・搬出日確定 契約書・見積書を書面で受領。マニフェスト発行の確認。閉店日と搬出日の間に 1-2 日のバッファを取っておくと安心。
STEP4 / 閉店 1 週間前:重要書類の分別・買取品の準備 個人情報書類はシュレッダー or 機密文書溶解サービスへ。買取対象品はクリーニングしておくと査定額が上がります。
STEP5 / 搬出当日 立ち会いは必須(物量変更・追加処分の判断のため)。マニフェスト写しを確認して受領(法令上、排出事業者が 5 年保管)。終わったら写真で「空室確認」を撮っておくと、原状回復の証拠になります。
マニフェスト(管理票)の実務 — 排出事業者が知っておくべきこと
産業廃棄物を業者に委託する場合、排出事業者(つまり依頼するあなた)は「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」の交付義務を負います。これは廃棄物処理法第 12 条の 3 で定められており、違反すると 1 年以下の懲役または 100 万円以下の罰金です。
廃棄物処理法 第 12 条の 3(抜粋・要約) 産業廃棄物を委託する事業者は、産業廃棄物管理票を交付し、運搬・処分が終了したことを書面で確認しなければならない。管理票の写しは 5 年間保存する義務がある。 出典: e-Gov 廃棄物処理法
よくある質問 — 小規模事業所の不用品回収
Q1. 一人事務所(マンションの一室)でも事業系扱いになりますか?
なります。規模や場所ではなく「事業活動で使っていたか」で判断されるため、一人事務所・SOHO・在宅ワークの法人登記住所でも、什器・OA 機器は事業系廃棄物です。マンション管理組合から「事業ごみは出すな」と指摘されるケースもあります。
Q2. 個人事業主と法人で、ルールに違いはありますか?
ありません。廃棄物処理法は事業主体ではなく「事業活動」で区別するため、個人事業主・フリーランス・法人すべて同じルールです。ただし、書類上の宛名(マニフェストの排出事業者欄)は、個人事業主なら屋号、法人なら法人名で記載します。
Q3. PC やサーバーのデータ消去はやってくれますか?
両許可業者の多くは、PC データ消去サービスをオプションで提供しています。米国国防総省方式(DoD 5220.22-M)による上書き消去、または物理破壊(HDD/SSD のシュレッダー処理)が一般的。データ消去証明書を発行できる業者を選ぶと、後日の監査対応も安心です。
Q4. 家電 4 品目(冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン)はどうなりますか?
事業所であっても、家電 4 品目は家電リサイクル法の対象。リサイクル料金は家電製品協会のリサイクル料金一覧で品目別に確認できます。両許可業者なら、これも一括で受け付けて適正処理してくれます。
Q5. 買取で相殺できる品目には何がありますか?
オフィス家具(2-5 年落ち)、複合機(リコー・キヤノン・富士フイルムの主要機種)、業務用冷蔵庫・製氷機・ガスレンジ(状態が良いもの)、サーバー機器、応接セット、シェルフなど。製造から 7 年以内、目立つ傷なしが買取条件の目安です。
Q6. 土日・祝日の搬出はできますか?
多くの業者が対応していますが、ビル管理規約でエレベーター使用時間が制限されている場合があります。事前にビル管理会社に「業者搬出を○日に予定」と連絡し、養生範囲・搬出ルートを確認しておくとトラブル回避になります。
Q7. 見積もり後に「追加料金」を請求されることはありますか?
両許可業者で見積書を発行している場合、原則ありません。ただし「依頼時に伝えていなかった追加品が当日出てきた」場合は実費が発生します。見積書に「追加品が発生した場合の単価表」を明記してもらうことで、その場の言い値を防げます。
まとめ — 小規模事業所の不用品回収で押さえるべきこと
小規模事業所の不用品回収は、家庭ごみとは別物の「事業系廃棄物」として扱われます。安心して進めるためのポイントを整理します。
- ☑ 事業活動で出た不用品は、規模に関わらず家庭用粗大ごみでは出せない
- ☑ 「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」が混在するため、両許可業者がワンストップで便利
- ☑ 費用相場は 10 坪事務所 3-9 万円、30 坪店舗 22-60 万円(MFS 集計)、買取活用で実質負担を 20-50% 削減できる
- ☑ 業者の許可番号・マニフェスト対応・損害補償保険・現地見積もりの 4 点を確認する
- ☑ 閉店日の 1 ヶ月前から準備、相見積もりは 2-3 社、買取査定を含めて比較する
- ☑ マニフェストの保管義務(5 年)を忘れずに
小規模事業所の不用品処分は、許可と保険を備えたミチビキへ
産廃許可・古物商許可・三井住友海上の最大 3,000 万円補償を備え、年間 約 4,000 件の現場を統括する MFS が、見積もりから搬出・マニフェスト発行までワンストップで対応します。