オフィスの不用品回収|什器処分の費用相場と産廃ルール対応
オフィス移転や閉鎖、レイアウト変更で出る什器・OA機器、どうやって処分すれば良いか迷っていませんか? 家庭ごみと違ってオフィスから出るものは 原則「事業系の廃棄物」 として扱うルールがあり、自治体の粗大ごみでは出せないケースがほとんどです。費用も数万円から数十万円まで幅があり、マニフェスト(産廃の処理伝票)の扱いを誤ると法令違反になる可能性も。
この記事では、オフィスの不用品回収を「費用・法令・スケジュール」の三方向から、ミチビキくんと現場統括の豊田さんが解説します。
この記事で分かること
- ☑ オフィス什器・OA機器の処分方法 4 つと、それぞれの向き不向き
- ☑ 一般廃棄物と産業廃棄物の違い、自社オフィスはどちらに該当するかの判断基準
- ☑ 規模・状況別の費用相場マトリクス(MFS 年間 4,000 件の実績データより)
- ☑ 産業廃棄物収集運搬業許可とマニフェストの実務ポイント
- ☑ 閉店・移転スケジュール逆算で失敗しない業者選定のコツ
オフィスから出るものは「事業系廃棄物」— まずここを押さえる
オフィスから出る不用品は、家庭ごみとは扱いが根本的に違います。事業活動に伴って排出されるものは、すべて「事業系廃棄物」 として、排出事業者(つまり会社)が責任を持って処理しなければなりません。これは 廃棄物処理法(e-Gov 法令検索) で定められた基本ルールです。
事業系廃棄物はさらに、産業廃棄物(事業活動から出る特定 20 種類)と 事業系一般廃棄物(それ以外)に分かれます。オフィスから出るものでいうと、ざっくり下表のとおりです。
| 区分 | オフィスでの例 | 処理の担当 |
|---|---|---|
| 産業廃棄物 | スチール製キャビネット、金属什器、OA機器(プラ・金属)、コピー機、シュレッダー、配線、廃プラスチック | 産業廃棄物収集運搬業の許可業者 |
| 事業系一般廃棄物 | 木製机・椅子、書類、段ボール、布製ソファ | 一般廃棄物収集運搬業の許可業者 |
| 特別管理産業廃棄物 | 蛍光灯(水銀)、廃バッテリー | 特管産廃の許可業者 |
オフィス不用品 4 つの処分方法 — どれが向いている?
オフィスの不用品処分には大きく 4 つの選択肢があります。規模が小さく単品で済むなら自治体ルートや買取、移転・閉鎖で量がまとまるなら法人専門の回収業者がコスト効率と法令遵守の両面で有利です。
それぞれの特徴を、現場で見える「向き不向き」と合わせて整理します。
① 産業廃棄物処理業者へ直接依頼
産廃の許可を持つ業者に処理を委託する方法。法令遵守の面では最も安心で、マニフェストも確実に発行されます。ただし運搬・処分の手配を別々に行うケースが多く、見積もりや日程調整に時間がかかります。大規模工場や工事現場の解体には向いていますが、小〜中規模オフィスには手間が重め。
② 自治体への相談(事業系一般廃棄物のみ)
木製什器など事業系一般廃棄物に限り、自治体指定の処理業者を紹介してもらえる場合があります。ただし扱える品目が限られ、自社で搬出する必要があるケースが多いのが難点。スチール什器や OA 機器は対象外で、結局別ルートが必要に。
③ リサイクル業者・買取業者へ売却
状態の良いオフィス家具や OA 機器は買取対象になります。比較的新しい有名メーカー製のチェアやデスク、複合機などは数千〜数万円で売れることも。ただし「売れるものだけ持っていって、残りは置いていく」業者もあるため、処分とセットで対応してくれるかの確認が必須です。
④ 法人対応の不用品回収業者へ一括依頼
産廃許可+古物商許可を持つ業者なら、処分・買取・運び出し・マニフェスト発行までワンストップ で完結します。買取で相殺できる分は実質費用が下がり、移転スケジュールに合わせた即日〜数日対応も可能。中小規模オフィスの移転・閉鎖では最も使われているルートです。
オフィス不用品回収の費用相場 — 規模・状況別マトリクス
オフィス不用品回収の費用は、小規模オフィス(〜10名)で 5〜15 万円、中規模(20〜50名)で 15〜60 万円、大規模(50名以上)で 60〜300 万円超 が現場相場です。ただしこの幅には明確な理由があります。物量・搬出条件・特殊品目の有無で 2〜3 倍違うため、まず自社の状況がどの位置にあるかを見極めることが大切です。
下表は、AI一括見積もり系列の MFS が 2024 年に対応した約 4,000 件のうち、法人案件 約 600 件の集計から作成した条件別マトリクスです。
| 状況 | 〜10名(1K-2DK相当) | 20〜50名(2LDK-4LDK相当) | 50〜100名 | 100名超 |
|---|---|---|---|---|
| 通常移転(仕分け済み・搬出経路良好) | 5〜10 万円 | 15〜35 万円 | 35〜80 万円 | 80〜200 万円 |
| 急ぎ移転・閉鎖(物量多め) | 8〜15 万円 | 25〜60 万円 | 60〜120 万円 | 120〜250 万円 |
| 全撤去+原状回復ありき | 10〜20 万円 | 30〜80 万円 | 80〜180 万円 | 180〜350 万円 |
| OA機器・サーバ・大型機械含む | +3〜10 万円 | +10〜30 万円 | +30〜80 万円 | +80〜150 万円 |
物量目安としては、2 トントラック 1 台で約 8 畳分のオフィス家具、4 トン 1 台で約 25 畳分(出典: MFS 2024 年法人案件 600 件集計)。
品目別の参考単価
オフィスでよくある品目の処分単価目安です。これは買取が成立しない場合の純粋な処分費用ベース。
| 品目 | 単品処分目安 | 買取の可能性 |
|---|---|---|
| 事務机(スチール) | 2,000〜5,000 円 | △(有名メーカー新しめのみ) |
| オフィスチェア | 1,500〜4,000 円 | ○(アーロン・オカムラ等は数千〜数万) |
| キャビネット(スチール) | 3,000〜8,000 円 | △ |
| 複合機(リース外) | 8,000〜20,000 円 | ○(新しい機種) |
| パーティション | 1,500〜4,000 円/枚 | × |
| 大型金庫 | 15,000〜50,000 円 | × |
| サーバラック | 10,000〜30,000 円 | △ |
| 業務用エアコン | 15,000〜40,000 円 | △ |
家電製品については 家電製品協会のリサイクル料金一覧 も参考になります。なお、オフィスの業務用エアコンはリサイクル法対象外で、産廃ルートになる点に注意です。
産業廃棄物の許可とマニフェスト — 排出事業者責任の実務
オフィス不用品回収で 最も見落とされがちだけど、最も重要なのが「排出事業者責任」と「マニフェスト」 です。廃棄物処理法では、廃棄物を出した会社(排出事業者=御社)が、最終処分まで適正に処理されたことを確認する責任を負います。
廃棄物処理法 第12条より要約 事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、政令で定める基準に従い、それぞれ産業廃棄物収集運搬業者・処分業者に委託しなければならない。
(出典: e-Gov 廃棄物処理法 第12条)
マニフェストの基本
マニフェストは、産廃を委託するときに発行する 7 枚綴り(電子の場合はデータ)の伝票で、「いつ・誰が・何を・どこへ運び・どこで処分したか」 を追跡できる仕組み。排出事業者は処分完了後に E 票が戻ってきたことを確認し、5 年間保存する義務があります。
確認すべき 3 つの許可
産廃の運搬を委託する業者には「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要。ホームページや見積書に許可番号(◯◯県第◯◯号)が明記されているか確認しましょう。MFS の場合は神奈川県・東京都の許可番号を公開しています。
マニフェスト発行は排出事業者の義務
発行は「業者」ではなく「排出事業者」の責任。法人専門業者は実務的に代行作成してくれますが、署名・確認は会社側です。電子マニフェスト(JWNET)推奨。
古物商許可は買取セット時に必須
什器・OA機器を買取してもらう場合、業者には 古物商許可(警察庁) が必要。許可なしで買取と称して持ち去る業者は違法。許可番号(例: 神奈川県公安委員会 第◯◯号)を必ず確認してください。
移転・閉鎖のスケジュール逆算 — 失敗しないタイムライン
オフィス移転や閉鎖は、退去日から逆算して 2〜3 ヶ月前から動き出す のが理想です。直前になるほど業者の繁忙期と重なって料金が割増になったり、希望日が押さえられなくなったりします。
下記は MFS が法人案件で実際に提案している標準スケジュールです。
退去 8〜12 週前: 計画・棚卸し オフィス内の什器・備品を一覧化(エクセルで OK)。買取に出すもの・新オフィスへ持ち込むもの・処分するものに仕分けします。リース契約品(複合機・サーバ等)は契約書を確認し、リース会社の引取手配を別途進めます。
退去 6〜8 週前: 業者選定・見積もり 2〜3 社から現地見積もりを取り、許可番号・損害補償保険・マニフェスト対応を確認。価格だけでなく「搬出当日に何人体制で来るか」「養生範囲」「夜間対応可否」も比較します。
退去 4〜6 週前: 契約・買取査定 業者契約。買取対象の什器・OA機器の最終査定。リース品の返却手配も並行して進めます。社員のデータ消去(PC・サーバ)もこのタイミングで計画。
退去 1〜2 週前: 機密文書処理・最終仕分け 機密書類はシュレッダーまたは溶解処理。MFS では出張シュレッダー(立会い溶解)も対応しています。社員の私物持ち帰り期限も設定。
退去日当日: 搬出・原状回復確認 業者搬出 → 養生撤去 → 室内清掃 → ビル管理会社の原状回復確認。マニフェストは後日 E 票を受領し、5 年保存します。
移転・閉鎖の日程が決まっている方へ
退去日が決まっているなら、まずは現地見積もりだけでも早めに取っておくと安心です。予約枠と料金が確定するので、その後の社内手続きもスムーズに。
法人対応業者の選定 5 ポイント — 現場で見た失敗パターンから
法人案件の業者選びで失敗を避けるには、価格だけで選ばないこと が一番大切です。MFS が法人のお客様から相談を受ける中で、過去に他社で失敗したケースの共通点を 5 つにまとめました。
① 許可と保険の有無
産廃収集運搬業許可、必要に応じて古物商許可、そして 損害補償保険 の加入を確認。MFS は三井住友海上の最大 3,000 万円の損害補償保険を付帯しています。万が一建物や什器を傷つけた際の備えです。
② マニフェスト対応の標準化
「マニフェスト出ますか?」と聞いて即答できない業者は要注意。電子マニフェスト(JWNET)対応の方が後の管理も楽です。
③ 買取と処分の一括対応可否
買取と処分を別業者にすると、二度手間で日程調整が複雑に。両方の許可を持つ業者を選ぶと、当日 1 回の搬出で完結します。
④ 現地見積もりの丁寧さ
電話やメールだけで概算しか出さない業者は、当日になって追加料金を請求してくる典型パターン。必ず現地確認 をしてもらい、書面で「追加料金が発生する条件」を明示してもらいましょう。
⑤ 自社施工 or 下請け丸投げか
大手代理店のように「営業だけ」で実作業は別の小規模業者が来る形だと、当日のトラブル対応が遅くなりがち。自社スタッフ・自社トラックで動く業者の方が、現場対応が早いです。MFS はスタッフ 14 名・専用トラック 9 台で自社施工。
機密文書・PCデータ消去 — 情報セキュリティ対応
オフィス処分で 見落とされがちなのが、機密文書とデジタルデータ です。書類は溶解処理またはシュレッダー、PC・サーバはデータ消去証明書付きの物理破壊または専用ソフト消去が標準対応。これを軽視すると、個人情報漏洩のリスクが残ります。
現場エピソード(MFS 法人対応事例) 昨年、世田谷区の士業事務所さんから「閉所する」とのご相談がありました。書類が段ボール 80 箱、PC が 12 台。当社では立会いの上で書類は溶解処理、PC はデータ消去ソフト + HDD 物理破壊の二段階対応。消去証明書も発行し、後日クライアントへの説明資料として使っていただきました。費用は処分込みで約 18 万円でした。
オフィス不用品回収のよくある質問
Q1. 1 人事務所でも産業廃棄物扱いですか?
事業として使っている什器・OA機器であれば、規模に関わらず原則「事業系廃棄物」扱いです。素材によって産廃か事業系一般廃棄物かに分かれますが、いずれも家庭の粗大ごみとしては出せません。法人対応の回収業者か、自治体の事業者向け窓口に相談してください。
Q2. リース品の複合機やサーバはどう処分すれば?
リース品は所有権がリース会社にあるため、勝手に処分できません。まずリース会社に連絡して返却手続き を行います。リース満了で買取済みの場合は通常の不用品として処分可能です。複合機の中身(HDD)にはデータが残っているため、リース会社の引取りでもデータ消去証明を求めることをおすすめします。
Q3. 即日対応や夜間・休日作業は可能ですか?
可能です。MFS では即日対応(神奈川・東京エリア)、夜間・土日対応も標準で受けています。ただし即日や夜間は通常料金から 15〜30% 割増になるケースが多いので、可能であれば 1 週間前までにご相談いただくとコストを抑えられます。
Q4. 見積もりは無料ですか? 現地確認は必須ですか?
ほとんどの法人対応業者は 現地見積もり無料 です。電話やメールでの概算は出せますが、確実な金額は現地確認が必要。物量・搬出経路・特殊品目を実際に見ないと、適正な見積もりはできません。「現地確認なしで確定金額」と言ってくる業者はむしろ要注意です。
Q5. マニフェストは必ずもらえますか?
産業廃棄物に該当する品目を処分する場合は発行されます。電子マニフェスト(JWNET)対応の業者なら、データで確認・保存できて管理が楽です。E 票(処分終了報告)が戻ってくるまで確認し、5 年間保存 してください。
Q6. 買取してもらった場合、見積もりはどうなりますか?
買取対象品の査定額が処分費用から相殺されます。たとえば処分費 30 万円、買取査定 8 万円なら、実質負担は 22 万円。買取品は古物商許可を持つ業者に限り、買取契約書または領収書が発行されます。これも経理処理上の証憑になります。
Q7. 原状回復工事もまとめて頼めますか?
業者によります。MFS では提携の内装業者と連携して、什器撤去 → 軽微な原状回復(クロス補修・床補修等)までワンストップで対応可能です。大規模な内装解体は専門業者の領域ですが、軽微なものなら同日対応で時間短縮できます。
まとめ — オフィス不用品処分、次にやる 3 つのこと
オフィスの不用品回収は、家庭ごみと違って 「事業系廃棄物としての法令ルール」「マニフェストの実務」「スケジュール逆算」 の 3 点を押さえれば、コストも法令も安全にクリアできます。価格だけで業者を選ばず、許可・保険・買取一括対応の 3 つを確認することが、結果的に最も安く・安全な方法です。
AI一括見積もりでは、まず以下の 3 ステップから始めることをおすすめしています。
STEP1: 棚卸しと優先順位の整理 オフィス内の什器・OA機器・書類をリストアップし、「持っていく/売る/処分する/データ消去」に仕分け。エクセル 1 枚で OK です。
STEP2: 2〜3 社の現地見積もり 法人対応業者から現地見積もりを取得。許可番号・保険・マニフェスト対応・買取可否を比較。退去 6〜8 週前が理想タイミング。
STEP3: 業者契約とスケジュール確定 契約後、リース品返却・データ消去計画・機密文書処理を並行進行。退去日当日は搬出立会いと原状回復確認まで。
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