飲食店閉店時の不用品回収|厨房機器の処分費用相場と業者選び
「来月末で店を閉める。でも、業務用冷蔵庫もガスコンロもテーブルもそのまま。何から手をつければいいのか分からない…」——閉店を決めた飲食店オーナーから、こんなご相談を毎月のように受けます。15年間続けた小さなビストロを畳むことになったAさんも、最初は同じでした。原状回復の期限まで残り3週間。厨房機器は産廃なのか粗大ごみなのか、買取はしてもらえるのか、業者はどこに頼めばいいのか——分からないまま日数だけが過ぎていく。本記事では、そんなオーナーが「これなら段取れる」と思える順序で、飲食店閉店時の不用品処分を整理します。ミチビキくんと現場統括の豊田さんが解説します。
この記事で分かること
- ☑ 飲食店閉店時の不用品処分4方法と、選ぶ順序(買取→廃棄が鉄則)
- ☑ 一般廃棄物と産業廃棄物の違い、店舗ごみは「事業系」になるルール
- ☑ 坪数別・状況別の処分費用相場マトリクス(MFS年間4,000件の集計データより)
- ☑ 原状回復期限から逆算する閉店タイムライン(理想は2ヶ月前着手)
- ☑ 産廃許可・古物商許可・マニフェスト発行ができる業者を見抜く5つのチェックポイント
まずは閉店処分の概算を5分で把握したい方へ
店舗の坪数と主要な厨房機器をフォームに入れるだけで、買取分を差し引いた実質負担額を、産廃許可を持つ業者から比較できます。
飲食店閉店の不用品処分には4つの方法があります
飲食店閉店時の不用品処分には、大きく4つの方法があります。①居抜き売却(造作譲渡)、②厨房機器の買取査定、③産業廃棄物としての処理、④一般廃棄物としての処理。この順序で検討すると、処分費用を最も低く抑えられます。
なぜこの順序が大事なのか。理由はシンプルで、上にいくほど「お金を払って捨てる」から「お金を受け取って引き渡す」に近づくからです。順序を間違えて、価値のある厨房機器を産廃にしてしまうケースが現場では本当に多い。
| 処分方法 | コスト感 | 向いている店舗 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ①居抜き売却 | -50万〜+0円(収入になる場合あり) | 立地が良い、設備が新しい | 仲介業者+物件オーナーの承諾要 |
| ②厨房機器の買取 | -5万〜-30万円(マイナス=収入) | 営業用機器が5年以内 | 古物商許可を持つ業者へ |
| ③産業廃棄物処理 | 10万〜80万円 | 業務用什器、金属什器 | 産廃許可業者必須 |
| ④事業系一般廃棄物 | 数千〜数万円 | 食器、布、雑貨類 | 自治体ルールに従う |
一般廃棄物と産業廃棄物の違い|店舗ごみは「事業系」になります
飲食店から出るごみは、たとえ家庭と同じ品目でも「事業系廃棄物」として扱われ、自治体の家庭ごみ収集には出せません。さらにその中で、金属・プラスチック・ガラスなどは「産業廃棄物」、生ごみや紙くずなどは「事業系一般廃棄物」に分かれます。
ここを誤解したまま閉店処分を進めると、後から「不法投棄に加担した」と指摘されるリスクがあるので、最初に押さえておきたい大事なポイントです。
| 品目 | 区分 | 処分ルート |
|---|---|---|
| 業務用冷蔵庫・製氷機・冷凍庫 | 産業廃棄物(金属くず+フロン) | 産廃許可業者+フロン回収業者 |
| ガスコンロ・グリラー・フライヤー | 産業廃棄物(金属くず) | 産廃許可業者 |
| ステンレス作業台・シンク | 産業廃棄物(金属くず) | 産廃許可業者 |
| 木製テーブル・椅子 | 産業廃棄物(木くず) | 産廃許可業者 |
| 食器・グラス・陶器 | 産業廃棄物(ガラスくず・陶磁器くず) | 産廃許可業者 |
| 食材・調味料・生ごみ | 事業系一般廃棄物 | 自治体許可業者 |
| 段ボール・紙ナプキン | 事業系一般廃棄物 | 自治体許可業者 |
| 制服・テーブルクロス | 事業系一般廃棄物 | 自治体許可業者 |
根拠は廃棄物処理法(e-Gov)です。事業者には「自らの責任において適正に処理する」義務があると定められています。
産業廃棄物収集運搬業の許可とマニフェストが必須です
飲食店の閉店処分を頼める業者は、「産業廃棄物収集運搬業の許可」を持っている事業者に限られます。許可のない業者に頼んで不法投棄された場合、排出事業者(=お店のオーナー)も罰則の対象になるため、ここは確認すべきポイントです。
法律で5年間保管が義務付けられているので、閉店後も書類は残しておく必要があります。万が一不法投棄が発覚した場合、マニフェストの控えが「適正に処理を委託した証拠」になります。
飲食店閉店の処分費用相場|坪数・状況別マトリクス
飲食店閉店の不用品処分費用は、店舗の坪数と機器の量、買取活用の有無によって大きく変わります。10坪のカフェなら買取込みで実質10万円前後、30坪の居酒屋なら50〜100万円が現場でよく見る相場です。
この幅は、機器の状態(買取がつくか)、立地(搬出経路の難易度)、原状回復のスケルトン度合いで生まれます。
| 店舗規模 | 通常閉店 (機器残置・物量普通) |
買取活用後の 実質負担 |
スケルトン解体含む (原状回復まで) |
物量目安 |
|---|---|---|---|---|
| 〜10坪(カフェ・小規模バー) | 15〜30万円 | 5〜15万円 | 50〜100万円 | 2tトラック1〜2台 |
| 10〜20坪(居酒屋・定食屋) | 25〜50万円 | 10〜30万円 | 80〜200万円 | 2tトラック2〜3台 |
| 20〜30坪(レストラン・焼肉店) | 40〜80万円 | 20〜50万円 | 150〜300万円 | 4tトラック1〜2台 |
| 30〜50坪(中規模飲食店) | 70〜150万円 | 40〜90万円 | 250〜500万円 | 4tトラック2〜3台 |
| 50坪〜(大型店舗) | 個別見積 | 個別見積 | 500万円〜 | 4tトラック3台以上 |
(出典: 株式会社MFSが2024年に対応した法人閉店案件 約280件の集計)
| 品目 | 買取相場(状態良好の場合) | 備考 |
|---|---|---|
| 業務用製氷機(ホシザキ等・3年以内) | 3〜10万円 | 動作確認・洗浄済みで査定UP |
| 業務用冷蔵庫(縦型・横型) | 2〜8万円 | 5年以内が目安 |
| ガスコンロ・レンジ | 1〜5万円 | 都市ガス・LPGの種別必須 |
| フライヤー・グリラー | 0.5〜3万円 | 油汚れの程度で査定差大 |
| 食洗機(ドアタイプ) | 2〜6万円 | リンスドラント等付属品込み |
| ステンレス作業台・シンク | 0.5〜2万円 | サイズ・状態次第 |
| テーブル・椅子(ホテル仕様等) | 1脚500〜3,000円 | ブランド家具は加算 |
買取できる業者を選ぶには、警察庁の古物商許可制度に基づく古物商許可を持っているか確認します。MFSは神奈川県公安委員会 第451430009493号で許可を取得しています。
厨房機器の買取査定込みで処分費を抑えたい方へ
産廃許可・古物商許可の両方を持つ業者から、買取分を差し引いた実質負担額の見積もりを無料で取れます。坪数・主要機器の年式を入れるだけです。
閉店タイムライン|理想は2ヶ月前、最低でも3週間前から動く
飲食店の閉店処分は、原状回復の引き渡し日から逆算して、理想は2ヶ月前、現実的には最低3週間前から動き始めるのが安全です。これより短いと、買取査定の時間が取れず、産廃処理だけで進めるしかなくなり、費用が1.5〜2倍に膨らみます。
閉店2ヶ月前:居抜き売却の打診開始 仲介会社・物件オーナーに居抜き売却の可能性を相談。次の借り手が見つかれば、処分費は大幅減。並行して厨房機器のリスト作成。
閉店6週間前:買取査定の依頼 古物商許可を持つ業者2〜3社に査定を依頼。機器の写真・年式・型番を渡せば、現地査定なしで概算が出ます。
閉店4週間前:産廃業者を決定 買取で残った物の量を見積もり、産廃許可業者から相見積もり。マニフェスト発行可能か確認。
閉店2週間前:食材・消耗品の整理 冷蔵庫の中身、調味料、消耗品を使い切る or 処分。事業系一般廃棄物として自治体ルートへ。
閉店当日〜3日後:厨房機器・什器の搬出 買取分の引き渡し+産廃の搬出を同日または分割で実施。マニフェスト発行を受領。
引き渡し直前:原状回復工事 内装解体・壁紙張替えなど。スケルトン返しか居抜き返しかは契約による。
これを忘れて産廃に出してしまうと、後でリース会社から数十万円の請求が来ることがあります。
飲食店閉店処分業者の選び方|5つのチェックポイント
飲食店閉店の処分を頼む業者選びでは、①産廃許可、②古物商許可、③マニフェスト発行、④損害補償保険、⑤現地見積もりの可否、この5点を確認します。1つでも欠ける業者は、後でトラブルになるリスクが高いので避けたほうが安全です。
①産業廃棄物収集運搬業の許可
都道府県知事の許可。許可番号・許可品目・有効期限を許可証で確認。MFSは神奈川県・東京都で取得済み。
②古物商許可
都道府県公安委員会の許可。買取査定をしてもらうために必須。許可なしの「買取」は違法。
③マニフェスト発行
産業廃棄物管理票の発行・控えの引き渡しが標準対応か。発行不可の業者は避ける。
④損害補償保険
搬出中に物件を傷つけた場合の補償。MFSは三井住友海上の最大3,000万円補償付帯。
⑤現地見積もり
店舗を実際に見て見積もる業者を選ぶ。電話だけの概算で契約すると、当日「想定外の追加料金」が発生しやすい。
保険付帯の業者なら、こういう時に補償が出ます。MFSは三井住友海上の最大3,000万円補償なので、万が一の物件損傷もカバーできます。
業者選びの基本をさらに体系的に押さえたい方は失敗しない業者選び 5 ポイントも参考にしてください。費用の決まり方を詳しく知りたい方は1点処分から全撤去までの料金マトリクスで確認できます。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 飲食店の閉店処分は、何ヶ月前から動けば間に合いますか?
理想は2ヶ月前です。居抜き売却の打診、買取査定、産廃業者の相見積もりまで含めると2ヶ月あると余裕があります。最低でも3週間は確保したいところで、これより短いと買取活用ができず、産廃処理だけになって費用が1.5〜2倍に膨らみます。
Q2. 厨房機器を粗大ごみに出すことはできますか?
できません。飲食店から出る厨房機器は「事業系廃棄物」かつ「金属くず」「ガラスくず」などの産業廃棄物に分類され、自治体の家庭ごみ・粗大ごみ収集の対象外です。産廃許可を持つ業者に依頼するか、メーカーに引き取りを依頼する必要があります。
Q3. 業務用冷蔵庫は家電リサイクル法の対象ですか?
対象外です。家電リサイクル法(環境省)の対象は家庭用の冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンに限られます。業務用は産業廃棄物として処理し、フロン使用機器はフロン排出抑制法に基づく回収も必要になります。
Q4. リース契約の厨房機器はどう処分すればいいですか?
契約書を確認の上、リース会社に連絡して引き取り依頼を出します。所有権はリース会社にあるため、勝手に処分すると違約金や損害賠償の対象になります。閉店の2ヶ月前にはリース機器の棚卸しを済ませておくのが安全です。
Q5. 居抜き売却と造作譲渡の違いは何ですか?
ほぼ同じ意味で使われます。厳密には「居抜き売却」は店舗営業権ごと譲渡するイメージ、「造作譲渡」は内装と機器設備のみを次のテナントに譲るイメージです。どちらも処分費がゼロまたはプラス収入になる可能性があるため、閉店処分を考える際は最初に検討します。
Q6. マニフェストの控えはいつまで保管が必要ですか?
廃棄物処理法(e-Gov)により、排出事業者は5年間の保管義務があります。閉店後も書類は処分せず保管してください。万が一不法投棄が発覚した場合、マニフェストの控えが「適正委託の証拠」になります。
Q7. 深夜・早朝の搬出は対応してもらえますか?
対応可能な業者が多いですが、料金は割増になります。営業中のテナントが入る物件や、商業ビルの搬入口使用時間制限がある物件では、深夜・早朝の搬出指定が必要なケースもあります。見積もり時に搬出時間帯を伝えて、追加料金の有無を確認してください。
まとめ|閉店を「終わり」ではなく「次への引き渡し」に
冒頭でご紹介したAさんは、その後どうなったか。残り3週間からのご相談でしたが、ホシザキの製氷機と業務用冷蔵庫の買取で12万円、レストランチェアと木製テーブルもブランド家具として一部買取で5万円。産廃処理費用が38万円かかりましたが、買取の17万円を差し引いて実質21万円で原状回復まで間に合いました。
「最初は捨てるしかないと思ってた機器が、次の誰かに使ってもらえることが分かって、なんだか救われた気がしました」——引き渡し後にAさんからいただいた言葉です。15年間続けた店の道具が、ゴミではなく次の挑戦者の元へ。そう考えると、閉店処分は「終わり」ではなく「引き渡し」なのかもしれません。
飲食店の閉店処分は、買取→廃棄の順序、産廃許可と古物商許可を両方持つ業者選び、原状回復から逆算した2ヶ月のタイムライン、この3点を守れば、費用も時間も大きく節約できます。一人で抱え込まず、産廃許可を持つプロに早めにご相談ください。
閉店処分のご相談は、無料見積もりからお気軽に
産廃許可・古物商許可・損害補償保険、すべて備えた業者から、買取活用後の実質負担額をシミュレーション。閉店2ヶ月前でも、3週間前でも、まずはご相談ください。