カフェ閉店時の不用品回収 詳細ガイド|厨房機器と内装の処分費用
長年続けたカフェを閉めることになった、あるいは物件の明け渡し期限が迫っている——そんなとき、まず頭を悩ませるのが「店内のモノをどう片付けるか」ではないでしょうか。エスプレッソマシンやショーケース、カウンター、客席のテーブル・椅子、食器、観葉植物まで、家庭ゴミとは勝手が違うものばかりです。しかも、カフェから出るゴミは「家庭ごみ」ではなく「事業ごみ」として扱われるため、処分ルールもがらりと変わります。
この記事では、ミチビキくんと現場統括の豊田さんが、カフェ閉店の片付けを現場目線で解説します。
この記事で分かること
- ☑ カフェ閉店で出る不用品を処分する 4 つの方法と、それぞれの向き不向き
- ☑ 事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違い、カフェで両方が出る理由
- ☑ 坪数・内容別の費用相場と、買取で実質負担を下げる現場の知恵
- ☑ 原状回復工事と不用品撤去のベストな順序、閉店 2 ヶ月前からのタイムライン
- ☑ 産廃許可・マニフェスト・古物商を見抜く業者選び 5 つのチェックポイント
カフェ閉店で出る不用品を処分する 4 つの方法とは?
カフェ閉店時の不用品は「不用品回収業者への依頼」「事業系ゴミとしての自治体ルート」「買取業者の活用」「居抜き売却」の 4 つを組み合わせて処分するのが基本です。1 つの方法だけで片づくことはほぼありません。それぞれの向き不向きを知っておくと、同じモノでも実質負担が大きく変わります。
1. 不用品回収業者に依頼
厨房機器・什器・備品をまとめて撤去。産廃許可を持つ業者なら油や廃プラも同時対応。買取併設なら実質負担が下がる。閉店タイムラインに合わせやすい。
2. 事業系ゴミとして自治体・許可業者に依頼
テーブル・椅子・食器・紙類などは「事業系一般廃棄物」。各市区町村の許可業者と契約して出す必要あり。家庭用の粗大ごみ回収は使えない。
3. 買取業者を活用
2〜5 年以内の厨房機器、ブランド食器、デザイン性のある什器は買取対象。先に査定を入れておき、残ったものを回収業者に回す流れが王道。
4. 居抜き売却(造作譲渡)
内装・設備ごと次のテナントに引き継ぐ方法。原状回復義務を免除してもらえれば一気に負担が減る。ただしオーナー承諾と買い手探しが必須。
事業系一般廃棄物と産業廃棄物、カフェでは両方が出る?
はい、カフェ閉店ではこの 2 種類がほぼ必ず両方発生します。混同したまま処分を進めると、後から追加料金や法令違反のリスクが出てきます。ここを押さえておくだけで、業者とのやり取りがぐっとスムーズになります。
| 区分 | 具体例 | 必要な許可 |
|---|---|---|
| 事業系一般廃棄物 | 木製テーブル、紙類、生ゴミ、厨芥、陶器食器、観葉植物 | 市区町村の一般廃棄物収集運搬業許可 |
| 産業廃棄物 | 金属製厨房機器、プラスチック什器、廃油、ガラス、コンプレッサー機器 | 都道府県の産業廃棄物収集運搬業許可 |
| 買取対象(廃棄物にならない) | 比較的新しいエスプレッソマシン、ブランド食器、デザイン什器 | 古物商許可 |
カフェ閉店の不用品処分費用、坪数別の相場は?
カフェ閉店時の不用品処分費用は、10 坪未満の小規模店で 8〜20 万円、20 坪前後の中規模店で 20〜50 万円、30 坪以上の広めの店舗で 40〜100 万円が目安です。なお、この幅には明確な理由があります。厨房機器の有無、買取可否、原状回復工事との兼ね合い、搬出の難易度(2 階以上・エレベーターなし等)で大きく振れるのです。
| 店舗規模 | 通常撤去(什器中心) | 厨房機器込み全撤去 | 買取活用後の実質負担 | トラック目安 |
|---|---|---|---|---|
| 10 坪未満(カウンター数席) | 8〜15 万円 | 12〜25 万円 | -3〜-10 万円 | 2t × 1 回 |
| 10〜20 坪(小規模カフェ) | 15〜30 万円 | 25〜50 万円 | -5〜-20 万円 | 2t × 2 回 or 4t × 1 回 |
| 20〜30 坪(中規模) | 25〜45 万円 | 40〜80 万円 | -10〜-30 万円 | 4t × 1〜2 回 |
| 30 坪以上(広め・2 階以上) | 40〜70 万円 | 60〜120 万円 | -15〜-50 万円 | 4t × 2 回以上 |
閉店 2 ヶ月前から始めるタイムラインは?
カフェ閉店の片付けは、物件明け渡し日から逆算して「2 ヶ月前に業者選定・買取査定」「1 ヶ月前にリース品返却と居抜き判断」「2 週間前に撤去作業」「直前に原状回復工事」の流れが王道です。この順序を崩すと、原状回復業者と不用品回収業者が現場でぶつかって、どちらも作業できない「空白の 1 日」が生まれます。
STEP1 閉店 2 ヶ月前:業者選定と買取査定 不用品回収業者 2〜3 社と買取業者に相見積もりを依頼。産廃許可の有無、マニフェスト発行、損害保険の加入状況を確認。買取可能品のリストアップもここで。
STEP2 閉店 1 ヶ月前:リース返却と居抜き判断 リース契約の厨房機器・レジ・POS は返却スケジュールを確定。居抜き売却するなら不動産仲介に相談(厨房機器を残すか撤去するかの最終判断)。
STEP3 閉店 2 週間前:在庫消化と仕分け 食材・酒類の在庫を消化。什器・備品を「買取」「廃棄」「持ち帰り」の 3 区分でタグ付け。従業員との最終営業日調整。
STEP4 閉店当日〜5 日後:撤去作業 買取品の引き取り → 産廃・一般廃棄物の撤去 → 空っぽの状態で原状回復業者に引き渡し。マニフェスト(産廃処理の証明書)を受領してください。
STEP5 明け渡し 3 日前:原状回復工事完了 スケルトン戻しが条件なら内装解体工事。設備が残っていると工事ができないので、不用品撤去は原状回復より先に行います。
閉店タイムラインに合わせた見積もり、まとめて取れます
買取査定・産廃撤去・事業系一般廃棄物を 1 回の依頼でまとめて比較。閉店 2 ヶ月前のタイミングでの相見積もりに最適です。
業務用冷蔵庫や厨房機器、家電リサイクル法の対象になる?
結論から言うと、「業務用」の冷蔵庫・冷凍庫・エアコンは家電リサイクル法の対象外です。家電リサイクル法は家庭用に販売された 4 品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)が対象なので、業務用厨房機器は適用されません。ただし「家庭用として買ったけれど店で使っていた」中間ケースは判断が分かれるため、注意が必要です。
現場メモ:都内の 15 坪ほどのカフェ閉店で、「家庭用冷蔵庫を 2 台、店の裏方で使っていた」ケースがありました。買い取ったときの書類が残っていて家庭用と確認できたので、家電リサイクル法のルートで処理。業務用の製氷機や冷凍ショーケースは産廃ルート。1 つの現場でも、品目ごとに処理ルートが変わります。
悪質業者を避ける、業者選び 5 つのチェックポイントは?
カフェ閉店の片付けを頼む業者選びは、「許可証の提示」「マニフェスト発行」「書面見積もり」「損害保険」「現場下見」の 5 つを揃えているかで判断します。1 つでも曖昧な業者は、追加料金や不法投棄のリスクが高くなります。カフェの不用品は量も金額も大きいので、ここは妥協しないでください。
✅ 1. 産廃許可証を提示できるか
都道府県の産業廃棄物収集運搬業許可の番号と写しを求めてください。「古物商は持ってます」だけで産廃を運ぶ業者は違法です。産廃許可は都道府県ごとに取得が必要で、営業エリアと一致しているかも確認。
✅ 2. マニフェスト(産廃管理票)を発行するか
産業廃棄物の処理には、排出事業者(カフェ経営者)がマニフェストを交付する義務があります。「マニフェスト出しますか?」の質問に即答できない業者はアウト。写しは 5 年間保管が必要。
✅ 3. 書面での見積もりがもらえるか
「車両台数・作業員数・品目別単価・処分費・買取額」まで内訳のある見積書を出してもらいます。口頭見積もり、「一式」だけの見積もりは追加料金トラブルの元。
✅ 4. 損害保険に加入しているか
搬出中に床・壁・什器を破損したときの補償。賠償責任保険の加入証明を見せてもらってください。原状回復工事前の店舗で傷をつけられると、修復費が別途かかります。
✅ 5. 事前の現場下見を実施するか
電話・写真だけで見積もる業者は、当日「予想より量が多い」で追加請求してきがち。無料で現場下見に来てくれる業者を選ぶのが安全です。
カフェ閉店でよくあるトラブルと回避策は?
カフェ閉店で多いトラブルは「リース品の誤処分」「原状回復工事との日程衝突」「追加料金の後出し」「買取額の口約束」の 4 つです。どれも閉店が決まった直後の初動を間違えると避けにくくなりますが、逆に最初の 1 週間でチェックリストを作っておけば、ほぼ防げます。
よくある追加料金の後出しパターン:「電話見積もりで 15 万円」と言われて依頼したら、当日「厨房機器のステンレスは産廃なので別途 8 万円」と追加請求されたケース。書面見積もりと現場下見を省くと、こういうことが起きます。最初の見積もり段階で「ステンレス厨房機器、冷蔵冷凍機器、廃油、什器すべて込みで」と明記した書面をもらうのが鉄則です。
カフェ特有の備品、観葉植物やアートの扱いは?
カフェならではの備品——観葉植物、アート作品、オリジナル食器、オーダーメイドの照明器具など——は「買取」「引き取り希望者への譲渡」「廃棄」の 3 択で考えます。思い出のあるものこそ、安易に廃棄せず、譲渡や買取のルートを探す価値があります。
| 品目 | おすすめルート | 補足 |
|---|---|---|
| 観葉植物(購入品) | 譲渡 → 回収 | SNS・近隣店舗・フラワーショップに声掛け |
| 観葉植物(レンタル) | 業者返却 | 契約書で返却スケジュール確認 |
| アート作品 | 作者・ギャラリーへ返却 or 譲渡 | 購入時の経緯を確認 |
| オリジナル食器 | 常連顧客への譲渡・販売 | ロゴ入りは記念品として喜ばれる |
| オーダー什器 | 居抜き or 産廃 | デザイン性次第で居抜き可能 |
| ブランド食器(ノリタケ等) | 買取 | まとめて 1 ロットで査定依頼 |
まとめ:カフェ閉店の片付けチェックリスト
ここまでの内容を、閉店準備のチェックリストとしてまとめました。印刷して現場に持ち込んでもらうと、抜け漏れが防げます。
閉店 2 ヶ月前〜明け渡しまでのチェックリスト
【2 ヶ月前】
- ☑ リース契約書を全部集めて、所有権と返却ルートを確認した
- ☑ 不用品回収業者 2〜3 社と買取業者に相見積もり依頼した
- ☑ 各業者の産廃許可証・古物商許可証を書面で確認した
- ☑ 原状回復工事の範囲(スケルトン戻しか居抜きか)を大家に確認した
【1 ヶ月前】
- ☑ 居抜き売却の可能性を不動産仲介に相談した
- ☑ 業者から書面見積もり(内訳付き)を受領した
- ☑ 損害保険の加入証明を確認した
- ☑ マニフェスト発行の有無を確認した
【2 週間前】
- ☑ 食材・酒類の在庫消化計画を立てた
- ☑ 什器・備品を「買取・廃棄・持ち帰り・譲渡」でタグ付けした
- ☑ 観葉植物・アート作品の引き取り先を探した
- ☑ リース品返却スケジュールを確定した
【閉店後 3〜5 日】
- ☑ 買取品の引き取り完了、買取金額を書面で受領した
- ☑ 産廃・事業系一般廃棄物の撤去完了、マニフェスト写しを受領した
- ☑ 空っぽの状態を写真で記録した
- ☑ 原状回復業者に引き渡した
カフェ閉店の片付け、まとめて無料で相見積もり
厨房機器の買取、産廃撤去、事業系一般廃棄物、原状回復前の全撤去——カフェ閉店に慣れた業者を 1 回の入力で複数社比較。許可証・保険・マニフェスト対応の業者だけが表示されます。
よくある質問
Q1. カフェの不用品を家庭用の粗大ごみとして自治体に出せますか?
出せません。カフェから出るものは事業活動に伴う廃棄物となるため、家庭用の粗大ごみ回収は利用できません。市区町村の事業系廃棄物のルール(許可業者との契約)に従うか、産廃許可を持つ不用品回収業者に依頼してください。これは店舗の規模が小さくても同じです。
Q2. 居抜き売却した場合、不用品回収は不要になりますか?
内装・設備ごと次のテナントに引き継ぐ場合、厨房機器や什器の撤去は不要になることが多いですが、個人の持ち物(書類、私物の食器、客用の消耗品、観葉植物など)の撤去は必要です。居抜き契約の中で「残すもの・持ち出すもの」を明確にリスト化しておき、残らないものだけ回収業者に依頼する流れになります。
Q3. マニフェストを発行しないと、カフェ経営者も罰則対象になりますか?
はい、排出事業者としての責任があります。産業廃棄物を処理委託する際、排出事業者(カフェ経営者)にはマニフェスト交付義務があり、違反した場合は廃棄物処理法に基づく罰則の対象になります。業者任せにせず、必ず写しを受領して 5 年間保管してください。
Q4. エスプレッソマシンや製氷機は何年くらい使っていると買取がつきますか?
一般的には製造後 5〜7 年以内のメジャーブランド品は買取対象になりやすいです。10 年を超えると買取額は大きく下がりますが、ブランドや状態によっては値がつくこともあります。型番と製造年を業者に伝えて事前査定を依頼するのが確実です。
Q5. 営業中に少しずつ処分していくのと、閉店後まとめて処分するの、どちらが得ですか?
買取価値のある機器については、営業中は使い続けて売上を立てた方が有利です。一方、使っていない死蔵在庫や古い什器は、閉店前に少しずつ減らしておくと最後の撤去費用が下がります。「使っているもの=閉店後にまとめて撤去」「使っていないもの=営業中に順次処分」の二段構えが王道です。
Q6. 原状回復工事と不用品回収、同じ業者に頼めますか?
一部の業者は両方対応していますが、専門性が違うため別々に頼むのが一般的です。不用品回収業者は撤去・処分が本業、原状回復業者は内装解体・修復が本業です。両社の作業日程を 1 日ずらして組み、不用品撤去 → 原状回復工事の順に進めるのが安全です。
Q7. 深夜や早朝の作業はお願いできますか?
商業ビルやテナントの場合、搬出時間が指定されているケースが多く、深夜・早朝対応ができる業者を選ぶ必要があります。見積もり時に「◯時〜◯時に搬出完了必須」と伝え、対応可否を書面で確認してください。深夜料金が別途発生することもあるので、見積書に明記してもらうのが安心です。