遺品整理と自宅売却を同時進行する方法|不動産処分との連携 5 ポイント

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四十九日が終わって少し気持ちが落ち着いた頃、ふと「ご実家をどうするか」という話が持ち上がる方は少なくありません。相続人が複数いて、遠方に住んでいて、仕事も休めない。片付けだけでも大変なのに、不動産の売却まで重なってしまう。そんなときに「遺品整理と自宅売却を一緒に進められないか」というご相談をよくいただきます。

結論から言えば、同時進行は十分に可能です。ただし、進める順番と、関わる専門家の役割分担をあらかじめ整理しておかないと、途中で立ち止まってしまうことがあります。ミチビキくんと現場統括の豊田さんが解説します。

この記事で分かること

  • ☑ 遺品整理と自宅売却を同時進行するときの、全体の流れと順番
  • ☑ 間取り別・状況別の遺品整理費用と、売却時の残置物撤去の考え方
  • ☑ 相続人が複数いる場合に、片付け前に確認しておくべきこと
  • ☑ 遺品整理業者と不動産会社、どちらから相談すればいいかの判断軸
  • ☑ 現場で見てきた、進め方で失敗しないための 5 つのポイント

まずは片付け費用の目安を知りたい方へ

ご実家の間取りと状況をお伝えいただければ、複数の業者から見積もりが届きます。無理な営業電話はありません。

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なぜ「同時進行」で考える方が増えているのか

近年、遺品整理と自宅売却を同じタイミングで検討する方が増えています。背景には、相続人の遠方居住、空き家の維持コスト、そして相続税の申告期限といった事情が重なっています。

ご家族・お客様の検討シーン
ミチビキくん
ミチビキくん
豊田さん、そもそもなんですが、片付けと売却って別々にやるものじゃないんですか?なぜ最近は「同時に」という相談が多いんでしょうか。
豊田さん
豊田さん
一番の理由は、空き家にしておく期間が長いほど、固定資産税や管理の負担が重くなることです。遠方にお住まいのご相続人だと、片付けに通うだけでも交通費と日数がかかります。「どうせ売るなら、片付けと一緒に進めてしまいたい」というお気持ちはよく分かります。
豊田さん
豊田さん
もう一つは、相続税の申告期限が被相続人のお亡くなりから 10 ヶ月と決まっていることです。売却益が出る見込みのご実家だと、申告のスケジュールと売却のスケジュールが連動します。片付けを後回しにすると、売却の内見にも支障が出てしまうんです。
ミチビキくん
ミチビキくん
なるほど、時間との勝負でもあるんですね。じゃあ実際、どういう順番で進めればスムーズなんですか?

同時進行の全体像 — 片付けから売却までの流れ

遺品整理と自宅売却を同時進行する場合、おおむね「相続確認 → 重要書類の捜索 → 遺品整理 → 不動産査定 → 売却契約 → 引渡し」という流れになります。順番を間違えると、やり直しが発生することがあります。

ミチビキくん
ミチビキくん
最初に「相続確認」が入るんですね。これはどういうことですか?
豊田さん
豊田さん
ご実家を売却するには、不動産の名義を相続人のお名前に変更する「相続登記」が必要になります。2024 年 4 月から相続登記は義務化されました(参考: 法務省 相続登記の申請義務化)。相続人がどなたか、売却の意思が全員で揃っているかを先に確認しておかないと、片付けだけ進んでも売却に進めないことがあります。
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STEP1 相続人と相続意思の確認 相続人全員を戸籍で確認し、売却に向けた意思統一を行います。この段階で、片付けの範囲(形見分けの対象、処分していいもの)も相談しておきます。

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STEP2 重要書類と現金・貴重品の捜索 通帳、権利証、保険証券、年金関係、現金、貴金属などを先に捜索します。遺品整理業者に依頼する前に、ご家族で一度ざっと見ておく時間を取ることをおすすめします。

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STEP3 遺品整理業者への見積もり依頼 複数社から見積もりを取り、作業範囲と料金を比較します。この段階で「売却前提」であることを伝えておきます。残置物をゼロにする必要があるかで作業範囲が変わります。

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STEP4 不動産会社への査定依頼 片付けと並行して、不動産会社に査定を依頼します。「残置物あり」でも査定は可能ですが、売却方法(仲介か買取か)の判断材料になります。

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STEP5 遺品整理の実施 形見分けを済ませた上で、残りを処分・買取に回します。重要書類の最終確認は、業者作業の前日までに済ませておくと安心です。

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STEP6 売却契約と引渡し 片付けが終わった状態で内見対応、売買契約、引渡しに進みます。鍵の引渡し時点で残置物がないよう、スケジュールを逆算して組みます。

ミチビキくん
ミチビキくん
STEP2 で「ご家族でざっと見ておく」って書いてありますけど、業者さんに全部任せちゃダメなんですか?
豊田さん
豊田さん
もちろん私たちも貴重品の捜索はしっかり行いますし、見つかったものはすべてお渡しします。ただ、ご家族しか分からない「思い出のある場所」というのがあるんですね。お母様が通帳をいつもしまっていた引き出し、お父様が大事な書類を入れていた本棚の奥。できる範囲で一度見ておいていただくと、後悔が残りにくいんです。
ミチビキくん
ミチビキくん
全体の流れは分かりました。でも、やっぱり気になるのは費用です。遺品整理ってどのくらいかかるんでしょうか。

遺品整理の費用相場 — 間取り別・状況別の目安

遺品整理の費用は、ご実家の間取りと物量、そして状況によって幅があります。「3DK で 20 万円」のような一律の数字ではなく、実際には 3 万円から 60 万円以上まで、ケースによって大きく変わります。

この幅は、物量と仕分けの手間、建物の階数(エレベーターの有無)、搬出経路、処分と買取の内訳によって生まれます。ご自身のご実家がどの状況に近いかを見極めることで、見積もりが適正かどうかの判断がしやすくなります。

業者の作業・打ち合わせシーン
状況 1K-1DK 2DK-2LDK 3DK-3LDK 4LDK 以上
通常の遺品整理(物量標準・仕分け済み) 3-8 万円 8-18 万円 15-30 万円 25-50 万円
売却前提の全撤去(残置物ゼロまで) 5-12 万円 12-25 万円 20-40 万円 35-65 万円
ゴミ屋敷状態・特殊清掃を伴う 10-25 万円 20-45 万円 35-70 万円 60-100 万円以上

物量の目安としては、2DK なら 2 トントラック 1 台分、3DK なら 2 トン × 2 台分、4LDK 以上は 4 トントラックが必要になることが多いです。

ミチビキくん
ミチビキくん
「売却前提の全撤去」の方が高くなるんですね。普通の遺品整理と何が違うんですか?
豊田さん
豊田さん
通常の遺品整理では、残しておきたいもの(ご親族が後日取りに来るもの、形見として残すもの)を仕分けて、必要なものだけを処分します。一方、売却前提の全撤去は「鍵を引き渡した時点で何も残っていない状態」にする必要があるんです。カーテンレールの中のホコリ、物置の中の古い園芸用品、床下収納の缶詰まで、本当に何もない状態にします。
豊田さん
豊田さん
現場での感覚で言うと、売却前提のご依頼では、通常の遺品整理よりも 2〜3 割ほど作業量が増える印象です。古いお宅ほど「物置の奥の、さらに奥」に昔のものが残っていることが多いんですね。

現場から — 先月、埼玉県のお客様の 3LDK を担当しました。ご相続人の方は「母が几帳面だったから、ほとんど物はないはず」とおっしゃっていたのですが、押入れの天袋から昭和 50 年代の家計簿が 20 冊、床下収納からは梅酒の瓶が 8 本出てきました。ご家族でも把握しきれないものはあるものです。見積もりは「増える可能性」も含めて確認しておくと安心です。

ミチビキくん
ミチビキくん
買取してもらえるものがあれば、費用を少し抑えられたりしますか?
豊田さん
豊田さん
はい、古物商許可を持っている業者であれば、家電、家具、骨董品、貴金属などを買い取ることができます。弊社も神奈川県公安委員会の古物商許可(第 451430009493 号)を持っていますので、処分費用から買取額を差し引いた形でご提案することが多いです。買取品が多い現場だと、実質負担がかなり下がることもあります。
ミチビキくん
ミチビキくん
費用のイメージはつかめました。でも、相続人が兄弟で複数いる場合って、片付けを進める前に何か確認しておくべきことはありますか?

相続人が複数いる場合に、片付け前に確認すること

相続人が複数いらっしゃる場合、遺品整理と自宅売却を進める前に「全員の同意」を取っておくことが大切です。後から「あれを捨てたのは聞いていない」というトラブルが起きると、ご兄弟の関係にも影を落としてしまいます。

ミチビキくん
ミチビキくん
全員の同意って、具体的に何を確認すればいいんでしょう。
豊田さん
豊田さん
大きく分けて三つあります。一つ目は「売却の意思」、二つ目は「形見分けの範囲」、三つ目は「片付けを誰が立ち会うか」です。特に二つ目の形見分けは、ご兄弟によって思い入れのあるものが違います。「兄は父の時計を、妹は母の着物を」というように、事前に話し合っておくと作業がスムーズです。
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1. 売却の意思統一

相続人全員が「売却に同意している」ことを文書で残しておくのが安全です。口頭だけだと、後で意見が変わることもあります。遺産分割協議書の作成を司法書士に依頼しておくと、売却時にそのまま使えます。

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2. 形見分けの範囲

写真、手紙、アルバム、宝飾品、着物、茶道具など、思い出や価値のあるものを事前にリスト化します。可能であれば、片付け前にご兄弟で一度集まって確認する時間を取るのがベストです。

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3. 相続放棄をされる方の確認

相続放棄をする方は、遺品(=相続財産)に手を付けないことが原則です。放棄予定の方が片付けに関わると、後で「単純承認」とみなされるリスクがあります。放棄を検討中の方がいる場合は、司法書士や弁護士に相談してから進めてください。

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4. 片付け当日の立会人

全員が立ち会う必要はありませんが、代表者を 1 名決めておき、重要な判断(予想外のものが出てきた場合など)を即決できる体制にしておくとスムーズです。

ミチビキくん
ミチビキくん
三つ目の「相続放棄」って、知らずに遺品を触ってしまうとマズいんですか?
豊田さん
豊田さん
これは非常に重要なポイントです。相続放棄を検討している段階で、故人様の財産を処分したり、使用したりすると「相続することを認めた」とみなされてしまう可能性があります(民法 921 条)。借金が多くて放棄したいケースなどで、知らずに片付けを進めてしまうと取り返しがつかなくなります。借金の有無が分からない段階では、専門家に相談してからの着手を強くおすすめします。
ミチビキくん
ミチビキくん
これは怖いですね。確認が終わったとして、次はどこに相談すればいいんでしょう。遺品整理業者と不動産会社、どちらが先ですか?

遺品整理業者と不動産会社、どちらから相談する?

遺品整理業者と不動産会社、どちらから先に相談するかは状況によって変わりますが、多くの場合「不動産会社の査定と、遺品整理業者の見積もりを並行して進める」のが効率的です。

ミチビキくん
ミチビキくん
並行してですか?順番じゃなくて?
豊田さん
豊田さん
はい。というのも、不動産会社の査定は「残置物あり」の状態でも可能なんです。むしろ、残置物を見てもらった上で「仲介向きか買取向きか」を判断してもらえるケースもあります。片付けを終わらせてから査定だと、片付け費用を払ってから「買取業者に売ったほうが良かった」と判明することもあります。

パターン A: 仲介で売却するケース

一般の購入者を募って売却する方法です。相場に近い価格で売れる可能性が高い反面、内見対応が必要なので、残置物は原則ゼロにしておく必要があります。遺品整理をしっかり行ってから売却活動に入ります。費用は高めですが、売却価格でカバーできることが多いです。

パターン B: 不動産買取業者に売却するケース

不動産会社自身が買主になる方法です。残置物ありのまま買い取ってもらえるケースもあり、スピードが早いのが利点です。ただし、売却価格は仲介の 6〜8 割程度になることが多いです。遠方のご相続人や、相続税の期限が迫っている場合に選ばれます。

パターン C: 「残置物撤去込み」で不動産会社に依頼するケース

一部の不動産会社は、提携の遺品整理業者と組んで「片付けから売却まで」をワンストップで請け負うことがあります。手間は減りますが、片付け費用の内訳が見えにくくなることがあるので、見積もり明細は確認してください。

ミチビキくん
ミチビキくん
ワンストップって便利そうですけど、気をつける点もあるんですね。
豊田さん
豊田さん
ワンストップが悪いわけではないのですが、「全部まとめて 100 万円」のような一式見積もりだと、何にいくらかかっているか分からなくなります。遺品整理の見積もりは、トラック台数、作業員数、処分費、買取額を分けて書いてもらうのが基本です。これは厚生労働省も案内している考え方で、処分する廃棄物の量と種類が明確であることが適正処理の前提になります(参考: e-Gov 廃棄物処理法)。

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ミチビキくん
ミチビキくん
業者選びでも、やっぱり気をつけるポイントがいくつかあるんですよね。

同時進行を成功させる 5 つのポイント

遺品整理と自宅売却の同時進行で、現場で何度も見てきた「ここを押さえておけばスムーズに進む」というポイントを 5 つお伝えします。

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1. 古物商許可と産廃収集運搬許可を確認する

遺品整理では、処分と買取の両方が発生します。処分には産業廃棄物収集運搬業許可(自治体によって異なる)、買取には古物商許可が必要です。両方を自社で持っている業者なら、仕分けと処分がスムーズに進みます。

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2. 「残置物ゼロ」までの作業範囲を明記してもらう

売却前提の場合、カーテン、エアコン、物置、庭木まで撤去範囲に含まれるか確認します。「家の中だけ」と思っていたら、物置と庭の片付けで追加請求、というケースがあります。

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3. 家電リサイクル法対象品の処理方法を確認する

テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンは家電リサイクル法の対象で、適正な処理が必要です。リサイクル料金は家電製品協会のサイトで確認できます。見積もりに家電リサイクル料金が計上されているかチェックしてください。

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4. 損害補償保険の加入状況を確認する

片付け作業中に、床や壁を傷つけてしまうことがあります。売却前のお宅だと、修繕費が売却価格に影響することもあります。損害補償保険に加入している業者を選ぶと安心です。弊社は三井住友海上の最大 3,000 万円補償を付けています。

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5. スケジュールを売却から逆算して組む

売買契約から引渡しまで、通常 1〜2 ヶ月あります。この期間に片付けを完了させる必要があります。繁忙期(3〜4 月、年末)は業者の予約が取りにくいので、売却活動と並行して遺品整理の予約を早めに入れておくのがコツです。

現場から — 以前、神奈川県の 2LDK マンションで、売却の決済日の 3 日前に「エアコンの撤去を忘れていた」とご連絡をいただいたことがあります。急遽、他の現場を調整して対応しましたが、繁忙期だと間に合わないこともあります。売却スケジュールが決まったら、残置物の最終確認を一度行っていただくと安心です。

ミチビキくん
ミチビキくん
5 つのポイント、よく分かりました。実際に業者さんが来る日は、どんな流れで進むんですか?

遺品整理当日の流れと、ご家族の立会い

遺品整理の当日は、朝 9 時頃から作業開始、夕方までに搬出完了というのが一般的な流れです。ご家族の立会いは、全日程でなくても、重要な場面だけでも構いません。

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朝 9:00 作業開始・現場確認 作業員が到着し、作業範囲と注意点を再確認します。貴重品が出てきた場合の連絡方法、形見として残すものの置き場所を取り決めます。

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9:30-12:00 仕分け作業 各部屋を回りながら、処分品、買取品、ご家族に確認が必要なものに仕分けていきます。通帳や印鑑、現金、貴金属などが出てきたら、その都度ご家族(または代表者)に確認します。

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12:00-13:00 休憩・中間確認 午前中の進捗を共有し、気になる品物があればご家族と相談します。想定外のものが出てきた場合、追加作業の見積もりはこのタイミングで提示します。

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13:00-16:00 搬出作業 仕分けが終わったものを順次トラックに搬出します。家電リサイクル対象品は別途管理し、リサイクル券を発行します。

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16:00-17:00 清掃・最終確認 室内の簡易清掃を行い、ご家族に最終確認をしていただきます。鍵の引渡し、作業完了書類の受け渡しで終了です。

ミチビキくん
ミチビキくん
ご家族が遠方にいて、全日程立ち会えない場合はどうすればいいんですか?
豊田さん
豊田さん
その場合は、朝の作業開始時と、夕方の完了確認時だけ立ち会っていただくのが現実的です。日中はビデオ通話で貴重品の確認をさせていただいたり、写真を送って判断を仰いだりすることもあります。遠方のご相続人様が多いので、こういった対応は現場では珍しくありません。
豊田さん
豊田さん
もしご家族がどうしても立ち会えない場合は、信頼できる代理人(司法書士や親族の方)にお願いするか、全日程を業者に委任する契約を結ぶことになります。委任の場合は、作業前後の動画記録を残してもらうなど、透明性を確保する工夫をおすすめします。
ミチビキくん
ミチビキくん
最後に、業界で起きがちなトラブルについても知っておきたいです。

気をつけたい業界トラブルと、見抜き方

遺品整理と不動産売却は、金額が大きく、ご遺族が精神的に疲れている時期の取引なので、残念ながら悪質な業者による被害が報告されています。消費者庁や国民生活センターにも相談が寄せられています。

ミチビキくん
ミチビキくん
どんなトラブルが多いんでしょうか。
豊田さん
豊田さん
よく聞くのは三つです。「見積もり後の高額追加請求」「無許可業者による不法投棄」「貴重品の抜き取り」です。いずれも、見積もりの段階と業者選びの段階で防げるものがほとんどです。

法令上の注意 — 一般廃棄物の収集運搬には、各自治体の許可が必要です(廃棄物処理法 7 条)。無許可業者に依頼した場合、不法投棄された廃棄物の責任を依頼者が問われるケースもあります。「無料で引き取ります」と軽トラックで巡回する業者は、ほぼ無許可と考えてください。

一次情報: e-Gov 廃棄物処理法

豊田さん
豊田さん
高額追加請求を防ぐには、見積もりに「追加料金が発生する条件」を明記してもらうことです。「物量が見積もりを 20% 以上超えた場合に限り、◯円/立方メートルを追加」のように、計算根拠まで書いてある業者は信頼できます。「作業してみないと分かりません」としか言わない業者は要注意です。
豊田さん
豊田さん
貴重品の抜き取りを防ぐには、ご家族が事前に貴重品捜索を済ませておくことに加えて、作業中の立会いや動画記録を活用します。多くの誠実な業者は、こうしたご希望を嫌がりません。むしろ「どうぞ記録してください」と言える業者を選んでください。
ミチビキくん
ミチビキくん
不動産売却側のトラブルもあるんですか?
豊田さん
豊田さん
不動産売却では「相場より大幅に安い買取価格を提示される」「売却後に瑕疵(かし)の責任を追及される」といったケースがあります。査定は複数社に依頼する、仲介契約は専任ではなく一般媒介から始める、といった基本を守るだけでも被害は減ります。弊社も不動産会社と連携することがありますが、どちらか一方にお任せせず、ご相続人様がご自身で情報を比較することが何より大切です。
ミチビキくん
ミチビキくん
ここまでの話を踏まえて、よくある質問にも答えておきたいですね。

よくある質問

Q1. 遺品整理と自宅売却、どちらを先に手配すべきですか?

並行して進めるのが効率的です。不動産会社の査定は残置物ありの状態でも可能なので、査定を依頼しながら遺品整理業者の見積もりを取ります。査定結果によって「仲介で売るか、残置物ありで買取してもらうか」が決まり、それによって片付けの範囲が変わります。

Q2. 相続登記が終わっていなくても、遺品整理を始めていいですか?

遺品整理そのものは、相続人全員の同意があれば相続登記前でも進められます。ただし、相続放棄を検討している方がいる場合は、遺品を処分すると単純承認とみなされるリスクがあるので、司法書士や弁護士に相談してから着手してください。売却は相続登記完了が前提になります。

Q3. 遠方に住んでいて立ち会えません。遺品整理は依頼できますか?

はい、遠方のご相続人様からのご依頼は多くいただきます。初回の現地見積もりだけ立ち会っていただき、作業当日はビデオ通話や写真連絡で対応することが一般的です。全日程を委任する場合は、作業前後の動画記録を残してもらうなど、透明性を確保する契約を結んでください。

Q4. 遺品整理費用は相続財産から支払えますか?

遺品整理費用は、相続財産から支払うことが可能です。ただし、相続放棄を検討している場合は、相続財産に手を付けると放棄できなくなる可能性があるため注意が必要です。また、相続税の計算上、遺品整理費用は原則として債務控除の対象にならないため、税理士に確認してから進めることをおすすめします。

Q5. 空き家にしている期間が長いと、何か問題がありますか?

固定資産税の負担、建物の劣化、不審者の侵入などのリスクがあります。また、2015 年施行の空き家対策特別措置法により、管理が不十分な「特定空き家」に指定されると固定資産税の軽減措置が解除され、税額が最大 6 倍になることがあります。売却の意思があるなら、早めに片付けと査定を始めるのが得策です。

Q6. 仏壇や神棚はどう扱えばいいですか?

仏壇や神棚は、処分する前にお寺や神社で「魂抜き(閉眼供養)」を行うのが一般的です。多くの遺品整理業者が提携寺院を持っており、供養から処分まで一括で対応してくれます。見積もり時に「仏壇の供養もお願いしたい」と伝えておきましょう。費用は 2〜5 万円程度が目安です。

Q7. 遺品整理業者と不動産会社の見積もりは、何社くらい比べればいいですか?

遺品整理業者は 3 社、不動産会社は 2〜3 社の査定を取るのが目安です。業者ごとに作業範囲の捉え方や買取品の判断が違うので、同じ条件で比較することが大切です。弊社でも、お客様から「他社の見積もりも見ていい?」とご相談いただくことがありますが、比較していただくことで、適正な料金かどうかの判断材料になります。

進める前のチェックリスト

同時進行を始める前に、以下の項目を確認しておくと、後からの手戻りが少なくなります。

遺品整理 × 自宅売却 同時進行チェックリスト

相続・法務の準備

  • ☑ 相続人全員の確認と連絡先の把握
  • ☑ 相続放棄予定の方の有無を確認
  • ☑ 相続登記の手続き状況を確認(2024 年 4 月から義務化)
  • ☑ 遺産分割協議書の作成(必要な場合)

片付けの準備

  • ☑ 通帳、権利証、保険証券、現金、貴金属の事前捜索
  • ☑ 形見分けの対象品を相続人間で確認
  • ☑ 仏壇・神棚の供養方法を決定
  • ☑ 家電リサイクル対象品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン)の有無確認

業者選びのチェック

  • ☑ 古物商許可の確認(警察庁の制度解説)
  • ☑ 産業廃棄物収集運搬業許可の確認
  • ☑ 損害補償保険の加入状況の確認
  • ☑ 見積もり明細(トラック、人件費、処分費、買取額)の内訳確認
  • ☑ 追加料金が発生する条件の明記

不動産売却のチェック

  • ☑ 不動産会社 2〜3 社の査定取得
  • ☑ 仲介か買取かの判断
  • ☑ 売却スケジュールと片付けスケジュールの連動
  • ☑ 残置物撤去の範囲(庭、物置、エアコン含む)の確認
ミチビキくん
ミチビキくん
豊田さん、ここまで本当にありがとうございました。遺品整理と自宅売却を同時進行するって大変そうに思えましたけど、順番と確認事項が整理できていれば、進められそうですね。
豊田さん
豊田さん
そうですね。ご遺族の方は、気持ちの整理と手続きの両方を同時に進めなければならないので、本当に大変な時期だと思います。無理に一人で抱え込まず、専門家(司法書士、税理士、遺品整理業者、不動産会社)それぞれにご相談いただきながら、少しずつ進めていただければと思います。

費用の内訳をもう少し詳しく知りたい方は、1 点処分から全撤去までの料金マトリクスもあわせてご覧ください。また、業者選びでさらに深く確認したい方は、失敗しない業者選び 5 ポイントで詳しく解説しています。

監修者より

豊田貴士(株式会社 MFS 現場統括責任者/サービス名 エコクイッカー)

遺品整理と自宅売却の同時進行は、ご遺族にとって負担の大きい作業です。年間 4,000 件の現場を統括する立場から申し上げると、「焦らず、順番を守って、専門家と連携する」ことがすべてだと感じています。

弊社では神奈川県公安委員会の古物商許可(第 451430009493 号)と、神奈川県・東京都の産業廃棄物収集運搬業許可を保有し、三井住友海上の最大 3,000 万円の損害補償保険を付帯しています。スタッフ 14 名、専用トラック 9 台でご相談に対応していますので、ご遠方からのご依頼もお気軽にご相談ください。

ご相続人の皆様が納得できる形で、ご実家の最後のお見送りができるよう、現場からお手伝いさせていただきます。

遺品整理と売却前の片付けを相談したい方へ

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