遺品整理の費用を安くする7つの方法|相場と業者選びのコツ
お父様、お母様を見送られたあと、誰もいなくなったご実家の前に立ち尽くしてしまう。タンスを開けるたびに思い出が流れ込んできて、なかなか手が動かない。けれど四十九日や賃貸の解約日は待ってくれず、見積もりを取ってみたら想像以上の金額で、ご家族でうつむいてしまう——。そんな場面を、私たちは現場で何度も見てきました。
この記事では、遺品整理の費用が「なぜそれだけかかるのか」をまず正直にお伝えしたうえで、現場で実際に効果のあった節約の工夫を 7 つご紹介します。ミチビキくんと現場統括の豊田さんが解説します。
この記事で分かること
- ☑ 遺品整理費用の間取り別マトリクス(MFS 年間 4,000 件の現場集計データより)
- ☑ 費用を安くする 7 つの方法と、現場で実際に効いた節約額
- ☑ 「安くなる」と「危ない」の境目 — 悪質業者を避けるチェック項目
- ☑ 買取・補助金・分割など、実質負担を下げる現場の工夫
- ☑ 信頼できる業者を見抜く 5 つのポイント
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まず知っておきたい遺品整理費用の相場 — なぜこんなに幅があるのか
遺品整理の費用は、1K で 3〜8 万円、3LDK で 17〜50 万円が目安です。同じ間取りでも 2〜3 倍の差がつくのは「物量・仕分けの手間・特殊清掃の有無」という 3 つの要素で金額が大きく動くためです。
この幅を知らずに 1 社目の見積もりを見ると「高すぎる」と感じてしまいますが、内訳を理解すれば「妥当か、それとも盛られているか」を判断できるようになります。
間取り別・状況別の費用マトリクス
MFS が 2024 年に対応した約 4,000 件の現場データから、実態に近い相場をまとめました。
| 状況 | 1K-1DK | 2DK-2LDK | 3DK-3LDK | 4LDK 以上 |
|---|---|---|---|---|
| 通常 (物量普通・一部仕分け済) | 3〜8 万円 | 8〜18 万円 | 17〜30 万円 | 25〜45 万円 |
| 全撤去 (仕分けも業者対応) | 6〜12 万円 | 15〜25 万円 | 25〜40 万円 | 40〜60 万円 |
| ゴミ屋敷状態 | 10〜20 万円 | 25〜45 万円 | 45〜70 万円 | 70〜120 万円 |
| 孤独死・特殊清掃含む | +15〜40 万円 (清掃費を上乗せ) |
(出典: 株式会社 MFS が 2024 年に対応した遺品整理現場 約 4,000 件の集計値)
物量の目安として、1K で 1〜1.5t トラック 1 台、3LDK で 2t トラック 2〜3 台分というのが現場感覚です。
費用を安くする方法 1|事前に仕分けを済ませる — 効果は 2〜5 万円
ご家族で先に分別をしておくことが、最も確実な節約方法です。仕分け作業は業者の人件費の中でも比重が大きく、ここをご家族で巻き取れると 1K で 2 万円、3LDK で 5 万円ほど下がるのが一般的です。
思い出の品を前にすると手が止まり、想像の 3 倍は時間がかかります。「全部やる」のではなく「明らかな日用品ゴミだけ自分たちで」と割り切ることをおすすめします。
ご家族でやる範囲 (節約に直結)
キッチンの食材・洗面所の消耗品・冷蔵庫の中身・明らかな生活ゴミ。判断に迷わない物だけを地域のゴミ収集に出す。これだけで物量が 1〜2 割減ることが多い。
業者に任せる範囲 (無理しない)
タンスの中身、押し入れの段ボール、写真・書類など。仕分けに迷う物は遺品整理士のいる業者に任せたほうが、ご家族の心の負担が軽くなる。
絶対に急いで捨てない物
通帳・印鑑・権利書・保険証券・現金・貴金属・骨董品。一見ただの紙でも、相続手続きで必要になることがある。迷ったら段ボール 1 つに「保留」としてまとめておく。
費用を安くする方法 2|買取をうまく使う — 実質負担が 3〜15 万円下がる
価値のある遺品を業者に買い取ってもらうことで、回収費用と相殺できます。MFS の現場集計では、買取が発生した案件の約 35% で実質負担が 3〜15 万円下がっています。
ポイントは「古物商許可」を持つ業者を選ぶこと。許可がない業者の「買取」は法律上できないため、安く引き取って転売しているだけのケースがあります。
買取が期待できる遺品の例
| 品目カテゴリ | 買取が付きやすい物 | 参考買取額 |
|---|---|---|
| 家電 | 製造 5 年以内のエアコン・冷蔵庫・洗濯機 | 5,000〜30,000 円 |
| 家具 | カリモク・無印良品・北欧系ブランド家具 | 3,000〜50,000 円 |
| 貴金属・宝飾 | 金・プラチナ・ブランドジュエリー | 数万〜数十万円 |
| 骨董・美術品 | 掛軸・茶道具・陶磁器・古銭 | 数千〜数十万円 |
| 趣味品 | カメラ・楽器・時計・釣具 | 1,000〜100,000 円超 |
(出典: MFS 2024 年実績より中央値レンジを抽出)
費用を安くする方法 3|相見積もりは 3 社以上 — ただし「同条件」が鉄則
複数社から見積もりを取ることで、適正価格が見えてきます。ただし、3 社それぞれに違う情報を伝えると比較になりません。「同じ条件で出す」ことが何より大切です。
現場でよくある失敗例
「A 社には電話だけで概算、B 社は現地見積もり、C 社は写真送付」というように条件がバラバラだと、安く見える業者が後から追加請求をかけてくることがあります。3 社とも現地見積もりにそろえるのが鉄則です。
相見積もりで揃えるべき情報チェックリスト
- ☑ 間取り (1K / 2DK / 3LDK など) と床面積
- ☑ 部屋ごとの物量 (タンス何棹、ダンボール何箱程度か)
- ☑ エレベーターの有無・階数
- ☑ トラックを停められる位置までの距離
- ☑ 希望日程と作業時間帯
- ☑ 買取希望の有無
- ☑ 特殊清掃の必要性
費用を安くする方法 4|時期と日程に余裕を持つ — 平日割引で 1〜2 割安く
業者の繁忙期 (3〜4 月の引越しシーズン、お盆・年末) を避けるだけで、料金が下がります。さらに「いつでも構わない」と日程を業者に委ねると、トラックの空き枠を使った割引が受けられることがあります。
| 時期・条件 | 通常比 | 理由 |
|---|---|---|
| 平日昼間 | -10〜20% | スタッフ・トラックに余裕がある |
| 閑散期 (5〜6 月、9〜10 月) | -10〜15% | 業界全体が空く時期 |
| 業者おまかせ日程 | -5〜15% | 他案件と動線をつなげられる |
| 即日対応 | +20〜50% | スタッフ追加・他案件調整が必要 |
| 土日祝日 | +10〜20% | 予約が集中 |
(出典: MFS 2024 年実績より、同条件案件の曜日別単価比較)
費用を安くする方法 5|信頼できる業者を見抜く 5 つのポイント
「安いだけ」で選ぶと、追加請求や不法投棄に巻き込まれるリスクがあります。安く、かつ安心して任せられる業者を見極めるには、次の 5 点を確認してください。
① 古物商許可と廃棄物収集運搬の許可
遺品の買取には古物商許可、廃棄物の運搬には産業廃棄物収集運搬業許可 (一般家庭ゴミは一般廃棄物収集運搬の許可、自治体ごと) が必要。両方を提示できる業者は基本的な法令遵守ができている証拠。
② 遺品整理士の在籍
一般社団法人遺品整理士認定協会の認定資格。仕分けや形見分けの配慮ができるスタッフがいるかどうかの目安になる。
③ 見積書の項目が細かい
「一式 25 万円」ではなく「人件費・車両費・処分費・買取相殺」が分かれて記載されている業者は、後からの追加請求が出にくい。
④ 損害補償保険への加入
作業中に壁や床を傷つけた場合の補償。MFS は三井住友海上の最大 3,000 万円の保険に加入。賃貸物件の場合は特に重要。
⑤ 訪問見積もりに無理な営業がない
「今日決めれば半額」と即決を迫る業者は要注意。良心的な業者は、ご家族に検討する時間を渡してくれます。
許可・保険・遺品整理士、すべて揃った業者に相談する
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費用を安くする方法 6|家電 4 品目とリサイクル料金を理解する
エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の 4 品目は、家電リサイクル法で粗大ごみに出せないと決まっています。業者によってはこの処分費を別途上乗せするので、相場を知っておくと比較しやすくなります。
| 品目 | リサイクル料金 (目安) | 収集運搬費 (業者) |
|---|---|---|
| エアコン | 990〜2,000 円 | 2,000〜5,000 円 |
| テレビ (15 型以下) | 1,870 円〜 | 2,000〜5,000 円 |
| テレビ (16 型以上) | 2,970 円〜 | 2,000〜5,000 円 |
| 冷蔵庫 (170L 以下) | 3,740 円〜 | 3,000〜6,000 円 |
| 冷蔵庫 (171L 以上) | 4,730 円〜 | 3,000〜6,000 円 |
| 洗濯機・乾燥機 | 2,530 円〜 | 2,000〜5,000 円 |
(出典: 家電製品協会 RKC リサイクル料金一覧 2024 年版)
費用を安くする方法 7|自治体サービス・補助制度を活用する
自治体によっては、高齢者世帯やひとり親世帯向けに粗大ごみ手数料の減免制度を設けています。生活保護受給者の遺品整理に対する補助制度がある自治体もあります。
確認しておきたい制度・サービス
- ☑ 自治体の粗大ごみ手数料減免制度 (高齢・障がい・低所得世帯向け)
- ☑ 自治体直営の廃棄物処理場への自己搬入 (1kg 数十円〜と業者経由より安いケースあり)
- ☑ 故人の火災保険・家財保険の特約 (孤独死後の原状回復補償)
- ☑ 賃貸契約の保証会社の原状回復補償
- ☑ 相続放棄予定の場合の費用負担 — 動かす前に弁護士に相談
相続放棄を検討中の方への注意
相続放棄をする予定がある場合、遺品を業者に処分させる行為が「相続財産の処分」とみなされ、放棄ができなくなる可能性があります。費用の話の前に、まず弁護士・司法書士への相談をお勧めします。
「安すぎる業者」に注意 — 後から請求される追加料金の実例
激安をうたう業者の中には、契約後に追加料金を請求してくるケースがあります。最初の見積もりが他社より明らかに安い場合、必ず「追加料金が発生する条件」を書面で確認してください。
実際にあった追加請求のパターン
- 「2t トラック 1 台 3 万円」と見積もり → 当日「物量が想定より多い」として +15 万円請求
- 「人件費込み」と説明 → 当日「階段作業は別料金」として 1 人 1 万円追加
- 「処分費込み」と説明 → 当日「家電 4 品目はリサイクル料別」として数万円追加
- 作業後「壁を傷つけたが保険未加入」で補償なし
これらはすべて、見積もり時に書面で確認していれば防げたケースです。
遺品整理の費用に関するよくある質問
Q1. 遺品整理は誰がやるべきですか? 相続人の義務ですか?
法律上「相続人が遺品整理をしなければならない」という義務はありません。ただし、賃貸物件であれば原状回復義務、持ち家であれば管理責任があるため、結果的に相続人や家族が対応するケースがほとんどです。相続放棄を予定している場合は、遺品に手をつける前に弁護士に相談してください。
Q2. 葬儀の前と後、どちらに依頼するのが安いですか?
費用自体は変わりませんが、四十九日後にゆっくり進めるほうが、ご家族の心の負担が軽く、仕分けの精度も上がるため結果的に買取額が増えて実質負担が下がる傾向があります。賃貸の解約期限など物理的制約がない場合は、急がないことをお勧めします。
Q3. ゴミ屋敷状態でも依頼できますか? 追加料金はどれくらい?
対応できる業者であれば依頼可能です。通常の遺品整理に対し 1.5〜2 倍程度の費用がかかるのが一般的です。MFS の現場では 3LDK のゴミ屋敷で 45〜70 万円が中央値です。害虫駆除や特殊清掃が必要な場合はさらに上乗せされます。
Q4. 遺品整理と特殊清掃の違いは何ですか?
遺品整理は遺品の仕分け・回収・処分が中心。特殊清掃は孤独死などで体液・臭気が残った室内を原状回復するための専門清掃で、消臭・除菌・場合によっては床材の張替えまで含みます。費用は別建てで、15〜40 万円が追加される目安です。
Q5. 分割払いはできますか?
業者によります。MFS では条件によりクレジットカード分割や提携ローンの利用が可能です。見積もり時に「支払い方法は何が選べますか」と確認してみてください。
Q6. 形見分けの相談にも乗ってもらえますか?
遺品整理士が在籍する業者であれば、形見分けの配慮や仏壇・位牌・写真の取り扱いについて相談に乗ってくれます。「機械的に処分されるのが辛い」という場合は、見積もり時に「遺品整理士はいますか」と確認してください。
Q7. 立ち会いなしで進めてもらうこともできますか?
可能です。遠方在住で現地に行けない場合、鍵の受け渡しと事前の方針すり合わせ、作業中の写真共有という形で進められます。MFS では遠方のご家族からのご依頼が年間の約 2 割を占めます。
まとめ — 安くするより「適正に、丁寧に」を大切にしてください
遺品整理の費用を安くする 7 つの方法をご紹介してきました。最後に、現場を統括する立場からひとことお伝えさせてください。
「安く済ませる」ことだけにとらわれると、急ぎすぎて大切な書類を失ったり、悪質業者に巻き込まれたりと、お金以上のものを失うことがあります。本当に大切なのは「無駄な出費を避けつつ、ご家族が納得できる形で見送ること」だと、私たちは現場で何度も実感してきました。
ご家族のペースに合わせて、まずは相談だけでも
費用の概算をお伝えするだけでも構いません。お電話・フォーム、ご都合の良い方法でご連絡ください。出張・見積もりは無料です。