遺品整理と引越しを同時に依頼する方法|費用を抑える段取り
親御さんが暮らしていた家を片付けながら、自分の引越しも重なってしまった。そんな状況で「別々に頼むと二度手間になりそう」と悩む方は少なくありません。実家の遺品を整理して、必要なものだけ新居へ運び、残りは処分する。この一連の流れを一度にまとめる方法はあります。ただ、順番を間違えると費用が跳ね上がったり、大切な形見を誤って処分してしまうこともあるのです。
年間4,000件の現場を統括するミチビキくんと豊田さんが、後悔のない進め方を解説します。
この記事で分かること
- ☑ 遺品整理と引越しを同時に進めるメリットと、避けたい落とし穴
- ☑ 状況別・間取り別の費用相場マトリクス(MFS 年間4,000件の集計より)
- ☑ 依頼する順序と、費用を抑えるためのタイミング
- ☑ 遺品整理士・古物商許可を持つ業者の見抜き方
- ☑ 当日の流れと、形見分けで配慮したい進行のコツ
遺品整理と引越しを同時に進めるのはあり?メリットと注意点
遺品整理と引越しの同時進行は、多くの場合で費用と時間の両方を節約できます。作業スタッフや車両を共有できるため、別々に頼むより2〜3割ほど費用を抑えられるケースが多いのです。
ただ、すべての状況で「同時が正解」とは限りません。ご遺族の心の整理が追いつかないまま急いで進めると、後になって「大事な写真を捨ててしまった」と後悔することもあります。
費用相場はいくら?間取り別・状況別のマトリクス
遺品整理と引越しを同時に依頼する場合の費用は、1K〜1DKで8〜15万円、3LDK全撤去+新居搬送で40〜70万円ほどが一つの目安です。ただ、この幅は物量と作業条件で大きく変わります。
この幅が生まれるのは、遺品整理は「仕分け作業」の時間が費用の大半を占めるからです。引越しの荷物と処分品の切り分けをお客様側でどこまで済ませているかで、必要な人数と時間が変わります。
| 状況 | 1K-1DK | 2DK-2LDK | 3DK-3LDK | 4LDK以上 |
|---|---|---|---|---|
| 通常同時進行(仕分け済み・物量普通) | 8-15万円 | 15-25万円 | 25-40万円 | 40-60万円 |
| 全撤去+新居搬送込み | 12-20万円 | 22-35万円 | 35-55万円 | 55-80万円 |
| 遺品仕分け作業を業者に一任 | 15-25万円 | 28-45万円 | 45-70万円 | 70-100万円 |
| 特殊清掃・ゴミ屋敷状態を含む | 25-40万円 | 45-70万円 | 70-110万円 | 110-160万円 |
物量の目安としては、1K-1DKが1.5トントラック1台、2DK-2LDKが2トン1〜2台、3DK-3LDKが2トン2〜3台、4LDK以上が4トン相当か2トン複数台、というのが現場感覚です。
費用を抑える依頼順序—先にやること・同時にやること
費用を抑える鍵は「引越し先を決める前に、遺品整理業者へ相談する」ことです。逆に感じるかもしれませんが、新居の広さと収納量が決まってから遺品整理を始めると、「これも持っていこう」と迷って作業が長引きます。
STEP1:引越し先の間取りを大まかに決める
新居に持ち込む家財の総量を、この段階で見積もっておきます。3LDKから1LDKへの引越しなら、家財の6割以上は処分か買取に回ることが多いです。
STEP2:業者に「同時対応の見積もり」を依頼する
遺品整理と引越しの両方に対応できる業者へ、まとめて見積もりを取ります。この時点で「新居搬送分」と「処分分」を仕分けてもらう前提で相談しましょう。
STEP3:形見・貴重品の一次選別をご家族で済ませる
写真・手紙・アルバム・実印・通帳・保険証書・年金手帳は、業者作業前にご家族で確保します。この一手間で仕分け時間が半分になるケースもあります。
STEP4:同一日に搬出・搬送・処分をまとめる
遺品整理業者が仕分け・搬出・新居搬送・処分場搬入までを一日で完了させます。買取可能品はその場で査定し、費用から差し引きます。
業者選びの5つのポイント—遺品整理士と古物商許可
遺品整理と引越しを同時に頼む業者は、以下の5点を確認してください。この確認を省いた依頼で、追加請求や不法投棄のトラブルに巻き込まれる事例が業界全体で報告されています。
ポイント1:遺品整理士の資格があるか
「一般社団法人 遺品整理士認定協会」が認定する資格保持者がいる業者は、供養や仕分けの配慮が期待できます。事前に協会サイトで在籍確認が取れます。
ポイント2:古物商許可を持っているか
買取を伴う場合は必須の許可です。番号は各都道府県公安委員会が発行し、警察庁 古物商許可制度で仕組みを確認できます。無許可業者は買取を装った引き取りを行うことがあり、後日「あの品は貴重品だった」と気付いても取り戻せません。
ポイント3:産業廃棄物収集運搬業許可があるか
家財の処分には、この許可が必要です。e-Gov 廃棄物処理法に基準が定められています。無許可業者は不法投棄のリスクがあり、依頼主にも責任が及ぶことがあります。
ポイント4:損害補償保険に加入しているか
搬出時の家屋損傷や、新居搬送中の家財破損に備えるものです。MFSは三井住友海上の最大3,000万円の補償を付帯しています。金額と保険会社名を確認しましょう。
ポイント5:見積書に「一式」表記がないか
「遺品整理一式 30万円」といった曖昧な見積書は避けましょう。作業人数・時間・車両サイズ・処分品目・買取査定額の内訳が明記されているかを確認してください。
依頼当日の流れ—朝8時から夕方までの進行
同時依頼の当日は、朝の家財確認から夕方の新居設置まで、通常8〜10時間で完了します。作業の見通しが立つと、ご家族の心理的な負担も軽くなるものです。
08:00 現場到着・最終確認
作業スタッフが到着し、残す家財・処分品・買取候補の最終確認を行います。ご家族に立ち会っていただき、疑問点はこの時点でお伝えください。
08:30 仕分け作業開始
部屋ごとに仕分けを進めます。写真や書類など判断が難しい品は「保留箱」にまとめ、ご家族の確認を待ちます。
10:30 買取査定
古物商許可のある業者なら、査定士がその場で買取価格を提示します。貴金属・骨董品・美術品・ブランド食器などが対象になりやすいです。
12:00 昼休憩・進捗共有
午前中の進捗をご家族と共有します。予定通りかを確認し、必要なら追加の判断をこのタイミングで済ませます。
13:00 搬出・積み込み
新居搬送分と処分分をトラックへ積み分けます。物量が多い現場では2〜3台のトラックが並行して動きます。
15:00 新居搬送・設置
家財を新居へ運び、指定の位置に設置します。冷蔵庫や洗濯機の設置も対応できる業者が多いです。
16:30 清掃・完了確認
旧居の簡易清掃を行い、鍵の返却や大家さんへの立会いに間に合うよう完了します。処分品は許可業者のルートで処理されます。
形見分けと供養—心の整理に配慮した進め方
形見分けは、四十九日を目安に行うのが一般的です。ただ、遠方のご親族がいる場合や引越し日程との兼ね合いで、業者作業日までに完了させられないこともあります。そんなときは、形見候補を一時保管サービスで預かってもらう選択肢もあります。
現場エピソード:埼玉県さいたま市の事例
お父様の3LDKを整理し、娘さんご夫婦の2LDKへ引越すご家族の対応でした。当日、遠方のご兄妹が立ち会えなかったため、写真アルバム・手紙・愛用の万年筆・時計は「形見候補」として別便で娘さんの新居へ搬送。後日ご兄妹と分けていただきました。急いで判断せず、時間を確保する選択が、家族関係を穏やかに保つ助けになったと伺っています。
業界で起きているトラブルと、避けるための知恵
遺品整理・引越し同時依頼の分野では、追加請求・不法投棄・貴重品の紛失という3つのトラブルが繰り返し報告されています。これらは、事前確認と業者選定でほぼ回避できます。
トラブル発生率(MFS 年間4,000件集計 2024)
- 追加請求トラブル:相場の1.5倍以上を後から請求されたケース…相談件数の約12%
- 不法投棄・処分ルート不明:無許可業者利用者の相談で約8%
- 貴重品紛失・誤処分:仕分けを業者に一任した場合の約5%
いずれも、事前見積書の内訳確認・許可番号確認・貴重品の事前確保で大幅に減らせます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 遺品整理と引越しを同時に頼むと、別々より本当に安くなりますか?
多くの場合、2〜3割ほど費用を抑えられます。スタッフと車両を共有できるため、業者側のコストが下がるからです。ただ、物量が極端に多い現場では、処分と搬送のどちらかを別日に分けた方が総額が下がることもあります。見積もり時に両パターンで試算してもらうと確実です。
Q2. 遠方に住んでいて、実家に立ち会えません。どうすればいいですか?
立会いなしの遺品整理に対応する業者もあります。事前にビデオ通話で家の中を確認してもらい、写真付き作業報告書と処分品リストを送付する形が一般的です。ただし、貴重品の判断はご家族が事前に済ませておくか、当日ビデオ通話で確認を挟む形が安心です。
Q3. 買取と処分の見分けは、業者が勝手に判断するのですか?
古物商許可のある業者なら、査定基準に沿って判断します。ただし査定額に納得できない場合は、その品を処分に回さず持ち帰ることも可能です。査定内容と金額を書面で提示してもらい、その場で確認する流れが望ましいです。
Q4. 引越し先が遠方(県外)でも、同時対応できますか?
対応できる業者はあります。ただし遠距離搬送は追加費用が発生し、1回の搬送で50〜150km程度が一般的な対応範囲です。それ以上の距離は、遺品整理業者と別の引越し業者を組み合わせる方が費用が抑えられる場合もあります。
Q5. 相続税の関係で、資産価値のある品はどう扱えばいいですか?
美術品・骨董品・貴金属・株券・預金通帳は、税務申告に関わる可能性があります。作業前にご家族で確保するか、相続税の申告後に処分するのが安全です。判断に迷う品は、一度保留してから税理士や弁護士に相談してください。
Q6. 供養が必要な品はどこまでですか?
一般的には仏壇・神棚・お位牌・遺影・人形・ぬいぐるみが対象になります。ご本人の思い入れが強かった品(愛用品・日記など)も、気持ちの上で供養したいとおっしゃる方が多いです。合同供養なら1〜2万円ほどで対応する業者もあります。
Q7. 見積もりを取ってから当日までの期間は、どれくらい必要ですか?
通常1〜2週間、急ぎでも3日ほどの余裕があると安心です。繁忙期(3月・9月・年末)は予約が取りにくく、1ヶ月前の相談が推奨されます。急な対応が必要な場合は、複数業者に一括で見積もりを取ると、対応可能日を持つ業者が見つかりやすいです。
まとめ—依頼前の最終チェックリスト
遺品整理と引越しを同時に進める段取りは、事前準備で大きく変わります。以下のリストで、依頼前の状態を確認してください。
依頼前チェックリスト
心と時間の準備
- ☑ 四十九日を目安に、ご家族の心の整理は進んでいるか
- ☑ 遠方ご親族の形見分け希望は確認済みか
- ☑ 引越し先の間取りと収納量は把握したか
貴重品・書類の確保
- ☑ 通帳・実印・保険証書・年金手帳・遺言書は確保したか
- ☑ 写真アルバム・手紙・思い出の品を一次選別したか
- ☑ 相続税に関わる可能性がある資産(美術品・貴金属)は分けたか
業者選定
- ☑ 遺品整理士の在籍を協会サイトで確認したか
- ☑ 古物商許可の番号を警察庁の仕組みで確認したか
- ☑ 産業廃棄物収集運搬業許可の有無を確認したか
- ☑ 損害補償保険の加入と補償額を確認したか
- ☑ 見積書に一式表記がなく、内訳が明記されているか
当日の進行
- ☑ 追加料金の計算方法を書面で確認したか
- ☑ 買取査定の基準と、断った場合の対応を確認したか
- ☑ 仏壇・神棚の供養手配は済んでいるか
準備が整ったら、無料一括見積もりへ
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